第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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手っ取り早い方向に収まったな) がはは。そう言う事なのだ。やっと判ったか?」
「ふむぅ……、ここまでお考えとは。巧遅より拙速を取るべき戦局。恐れ入りました」
「がははは。元とは言え、総大将の名前を冠しておったのなら、早くオレ様の頭の回転速度についてこい!」
明らかに行き当たりばったりな気もしない事もない。……が、気分よく戦闘をするのであれば、文句はないだろう。
「絶対、適当でしょ、あんた。目が正直泳いでたし」
と、その場でランスの性質を知る者達は少なからず思っていて、それでも口に出さなかったのだが、躊躇なくくい込んだのは、志津香だ。
「馬鹿者。両方を纏めて叩いた方が手っ取り早いのは当然だろうが」
「……はぁ、やっぱりその程度だったみたいね……」
やれやれ、とため息を吐いているのは、かなみだった。
「オレ様のスーパーな作戦なのだ。成功・殲滅は1000%! 敵側も大分始末したから、残り少ないだろ。このまま一気に掃除し切るのに限る。おい、白髪。ちゃんと兵士は補充も出来るんだろ?」
ランスはエクスにそう聞いた。
「ええ。こちら側の現在兵数は、凡そ2500。サウスには大隊がひとつ駐留し、更にノースにも少数でもヘルマン第3軍の精鋭揃い。現在の状況のみであれば、こちら側が圧倒的に不利、ですが。その点に関しては、一応、策を練っています」
エクスの言葉に、ミリが声をかけた。ちゃんと部隊長として、話は訊いていた様だ。……さっきまで遊んでいた様に見えたけど。
「その策ってのがききたいね。ジオじゃ義勇兵がいなかったしな。……他の都市だったら、多かれ少なかれ、ヘルマンに蹂躙されてたから、義勇兵が志願してきたんだけどねぇ」
「なんだと? ジオではゼロだった、って事か?」
「ああ。ゼロだ」
「そうだったわね。色々と歓待はしてくれたんだけど……、戦闘支援は皆無よ。……英気を養った、と言う意味じゃ有りなんだけど」
あの市長がやりそうな事だな、とユーリは思ったが口には出さなかった。
「あっ、エクスさん。ひょっとして 策って言うのは、この地図には抜けてる街の……?」
「ふふ。流石、ですね。マリアさん」
地図を眺めていたマリアが声を上げると、エクスは微笑んだ。
「おいこら。オレ様の女に色目使うな!」
「もうっ、誰がランスの女よっ。今はそれどころじゃないでしょっ!」
マリアはぷんぷん、と怒っていたが すぐに話を進める。
「デンって街が抜けてるのよ。この地図。デンは、自由都市、なんだけど、リーザスとの境……、この街からじゃ西かな。L・C・M山脈の麓辺りにあるの」
「ふむ。パッキャマラード・デンですな。……エクス。そこに眼を付けておったか」
「ええ。……手段のひとつとして、
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