第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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した所で、バレスが話し始めた。
「うむ。地形的にもサウスは攻めるに難く、守るに易い立地条件。ここは、ノースを突破し、リーザスを目指すが定石、と言うものですな」
そう結論をつける。確かにそれも定石だろう。だが、定石、と言う事は向こう側もそれを容易に考えられている、と言う事になる。だからこそ、安易な方法を選ぶのは危険が付きまとうだろう。
レッドの街の様に、プチハニーや爆発茸、己らの被害を被る事を恐れなければ、やりようは無数にあると言える。ましてや、軍隊としては、間違いなく世界一の身体を持つ 黒き鎧に包まれた巨漢戦士。爆発に巻き込まれても、生き残りそうだから 更に分が悪い。現に レッドで戦った男、爆発に巻き込まれ、盛大に燃えた筈なのに、ホッホ峽の戦いに参戦してきていたらしいから。
ユーリが腕を組み、考えていたその時だ。
「馬鹿者。却下だ」
飽きてなかったのだろうか、ランスが話に割って入ってきた。
その言葉に、場の殆どの戦士達がランスに注目する。
「では、敢えてサウスを攻められるのですか?」
バレスがそう聞くが、ランスは鼻で笑った。
「ふん。その程度の頭しか無いのか。それでよく リーザスの総大将とやらが、これまで務まったものだな?」
ランスの強い口調、そして 絶対的な自信の表れ(いつも通り)を見て、押し黙ってしまうバレス。
「――……ふん。成る程。つまりはこう言う事か」
同じく、ユーリ同様に腕を組み 軍議に口を挟まなかった清十郎が、一歩前に出て、地図上に判りやすく置かれていた駒を鞘に収めた剣先で動かす。
リーザス側の駒を2つ。つまり自軍の駒2つを器用に動かし、ある箇所で止めた。
「なんと! 双方同時に??」
「……成る程。意表を突く、と言う意味では妙案ですね。兵士の数の問題などが残りますが、リーザスの攻城戦を考えたら、討てるだけ討つ方が懸命です」
清十郎の配置を見て、バレスは驚愕。そして、リックは冷静に判断を下した。
「……攻城戦で、長期戦になれば成る程、こちら側も疲弊するだろう。向こう側にはまだまだ不確定要素が多い上に、トーマ、そして……魔人も控えている。魔人達を本戦と例えるなら、前座で 消耗する訳にはいかないしな」
ユーリも腕を構えたまま、頷いた。
「そうですね。確かにリック殿の言う通り、最大の問題は兵士の数。……ですが、そちら側は何とかなる案もあります」
エクスも、ランスのプランに乗ったのか、忙しなく 書類の束を開いて、確認をした。
他のメンバーもランスの発言には、それなりに驚いている様だ。まっ先に、このプラン、戦術を口に? したのだから。……厳密にはしていないのだが、そう錯覚してしまっても無理はない。
「(ふむ。
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