第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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ーザス軍側も同様だ。
まるで問題なさそうにしているのが、最前線ではあったものの、『物足りない』とまで言っていた清十郎。決して口には出してなかったが、極めて冷静に物事を判断しているリック。同じグループでも、レイラは正直別だったようだ。
物足りない、とは言わないものの、元気が有り余っているのは、勿論 解放軍のガキ大将? ランスである。
そして、ランスに昨夜は 幻覚魔法をかけられていない。よくよく考えたら、かけてない時も少々あった。だから、ユーリは心配になった。
「……はぁ。ランスに色々と面倒な事をされなかったか?」
はぁ、とため息を吐きながら そう言うユーリ。
大体ランスの事を知っているミリーはと言うと、軽く頷いた。
「ランスさん、ですから、仕様がないかと……」
「って事はされたんだな……。何だか悪かったな。うちのバカが……」
「いえ。私に被害は無いです。ただ……戦いがまだ終わってないのに、ランスさんに 怪我をさせてしまったのが、申し訳ないです」
ユーリが謝ったのに、ミリーが逆に謝っていたのだ。
そう、ミリーに備わっている絶対幸運スキル。己に降りかかる不幸は、(厳密には不幸だと思う事、ミリー本人が心から嫌がる事) 回避される。自分の幸運だけではなく、防御スキル、とも思える。相手が異常なまでに、不幸になって結果として 回避出来るのだから。
「ははは。大丈夫だ。アイツは殺しても死なないから大丈夫だ。オレは、ミリーの様な幸運系スキル所持者|《ホルダー》だと思ってるよ。……ま、ミリーには敵わないみたいだがな。……でも、ミリーが無事で、本当に良かったよ」
「ぁ……、はい。ありがとう、ございます。……でも」
ミリーは表情を暗くさせた。
「パティちゃんや、優希ちゃん。奈美さん……パルプテンクスちゃん。街の皆が、とても……」
そう、ミリーの絶対幸運は自分だけのもの。
他の皆を助ける様な事が出来ないから、安否が判らない友達たちが心配だったのだ。……心から。
「……心配するな。必ず 皆助ける」
「……はぃ」
ミリーはユーリの事を疑ってる訳ではない。寧ろ、誰よりも信頼している、と自分では思っている。だけど、普段は会えるのに、会えない、と言う状況になった事が無かったから怖かった。いつもの何でもない状況、普通、それがどれだけ幸せな事だったか、と今なら強く想った。
……これが、沼に行っていた頃だったら、直ぐに生きている事を実感して、行かなくなった事だろう、と思うから。
「それにな。ミリー」
「……?」
ユーリの表情が 明るくなっていくのが判る。
「優希は無事だ」
「……えっ!」
ユーリの一言で、ミリーは眼を見開いた。
「ミリ
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