第十二幕その五
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「怪我をする時はあるから」
「それで持ってるのね」
「そうなの、じゃあね」
「うん、まずは傷口を洗って」
「それでね」
包帯を巻こうとなってでした、そのうえで。
ヤマアラシはお池で傷口を洗いました。オズの国のお池はどのお池もとても清潔なので消毒にも使えるのです。
そしてヤマアラシは実際にそこで洗ってでした、それから。
トロットに包帯を巻いてもらいました、そのうえでこうお礼を言うのでした。
「有り難う、助かったよ」
「ええ、これでとりあえずはね」
「そうだね、ただね」
「目のことよね」
「目はどうしようかな」
最近視力が悪くなっているそちらはというのです。
「一体」
「そうね、それはね」
トロットはすぐにです、ヤマアラシに答えました。
「方法があるわ」
「その方法は?」
「眼鏡屋さんに行ってね」
そこで、というのです。
「眼鏡を貰えばいいから」
「そして眼鏡をかければ」
「それでいいから」
だからだというのです。
「目のこともね」
「わかったよ、じゃあね」
「一緒にね」
こうしたことをお話してでした、ですが。
ヤマアラシはここで、でした。難しいお顔になって皆に尋ねました。
「それで眼鏡屋さんは何処にあるのかな」
「お店の場所ね」
「うん、何処にあるのかな」
「結構色々な場所にあるわよ」
恵梨香が答えました。
「眼鏡屋さんだと」
「そうなんだ」
「この辺りにもあるかしら」
「あっ、この辺りだとね」
すぐにです、トトが言ってきました。
「ここから南に行くとね」
「南に?」
「町があるから」
「あっ、その町になんだ」
「眼鏡屋さんがあるから」
それでというのです。
「そこに行けばいいよ」
「そうなんだね」
「うん、じゃあね」
「わかったよ、それじゃあね」
それならとです、ヤマアラシも頷きました。
「今から南の方に行って来るよ」
「そうするんだね」
「早く何とかしないから」
だからというのです。
「ここはね」
「すぐに行くんだね」
「そうするよ」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「よく町のこととか知ってるね」
こうも言ったのでした、トトに。
「そこに眼鏡屋さんがあることも」
「この辺りも冒険で何度も通ってるからね」
だからと答えたトトでした。
「それでなんだ」
「知ってるんだね」
「うん、何処にあるのかをね」
眼鏡屋さんをというのです。
「それじゃあ案内しようかい?」
「いや、そこまではいいよ」
ヤマアラシはトトの今の申し出は断りました。
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