第十二幕その四
[8]前話 [2]次話
「そうしてくれるかな」
「わかったよ」
すぐに答えたヤマアラシでした、そして。
ヤマアラシは自分のところに来た五人にその肉球のところを見せました、するとそこにです。
ガラスの大きな、五人からみれば結構そうである破片が刺さっていました。腹ペコタイガーはその破片を見て言いました。
「原因がわかったよ」
「僕の足が痛い原因が?」
「肉球のところにガラスの破片が刺さってるよ」
「おかしいな、見た時にはね」
どうにもと言うヤマアラシでした。
「何もなかったのに」
「けれどね」
「刺さってるんだ」
「結構深くね」
「そうだったんだ」
「透明だから」
こう言ったのはトロットです。
「見えないのよ」
「そうだよね、それに」
「それに?」
「最近僕目が悪くて」
そうだとも言うヤマアラシでした。
「よく見えないんだ」
「そうなの」
「そのせいだね」
「そうね、けれどね」
「うん、そのガラスをだね」
「私達が取るから」
痛みの元凶はというのです。
「安心してね」
「それじゃあね」
「さて、それじゃあね」
腹ペコタイガーが皆に言います。
「早速取ろうね」
「そうしましょう」
「僕達も怪我をしないようにしてね」
「若し油断したら」
どうなるかもです、恵梨香は言いました。
「私達も怪我するから」
「結構鋭いガラスだし」
「注意しましょう」
そうして取り出そうというのです、そして。
そのガラスにです、モジャボロは懐から出したハンカチを巻いて皆に言いました。
「これで大丈夫だよ」
「あっ、そうしてですね」
「切れる部分を覆ってね」
「それに布が手に止まって動きやすくなるから」
「だからね」
それで、というのです。
「今からね」
「取るんですね」
「そうしようね」
怪我をしなくてしかも持ちやすくしてというのです。皆はそこに手や前足をやってそのうえでそのガラスをでした。
取ってです、トロットがヤマアラシに言いました。
「これで後はね」
「後は?」
「近くにお池があるから」
そのお池を見て言います、実際に皆のいる場所のすぐ傍にお池があります。
「あそで傷口を洗ってね」
「消毒をするんだね」
「それで傷口はね」
トロットは包帯も出しました。
「これで覆えばいいから」
「それも用意しているんだ」
「何かあってもいい様にね」
「いつも持ってるんだ」
「オズの国は死なないけれど」
それでもというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ