第十二幕その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「皆都に早く帰ろうって思って」
「それでなんですか」
「自然と足が速くなっているね」
「焦っていなくてもですね」
「うん、そうだと思うよ」
まさにというのです。
「ここはね」
「そういうことですか」
「この調子で歩いていけば」
その行きよりも速い歩く速さで、です。
「都にはすぐだね」
「そうなりますね」
「そしてアクシデントがあっても」
「その時も」
「落ち着いて対応しよう、皆でね」
「私達五人で」
「そうすればどんなアクシデントも乗り越えられるよ」
五人でならというのです。
「安心していいよ」
「五人だとですね」
「一人では難しくてもね」
「五人でなら」
「何とかなるからね」
相当なことが起こってもというのです。
「まずは落ち着いてね」
「対応することですね」
「それが大事だよ」
「じゃあ冷静に」
「歩いていこう」
ここでもこうしたお話をしてでした、皆で進んでいきます。
そしてそろそろブリキの木樵のお城が見えてきそうなところに来てでした、不意に目の前の煉瓦のとkろにです。
大きなヤマアラシがいました、トロットはそのヤマアラシを見て言いました。
「確かあのヤマアラシ」
「うん、マンチキンの国だったかな」
腹ペコタイガーがトロットに応えます。
「確か」
「そこを通せんぼしていた子よね」
「そうだったね」
「あの時懲らしめられて」
「後で改心したって聞いてるよ」
「じゃあ今は」
首を傾げさせながら言うトロットでした。
「どうしてここにいるのかしら」
「あの時は針を全部取られたけれど」
そうして懲らしめられたのです。
「もう針も全部また生えて」
「剣山みたいになってるわね」
「何か動かないけれど」
「どうしたのかしら」
「まずはヤマアラシ自身に聞いてみよう」
これがトトの提案でした。
「とりあえずはね」
「そうね、それが一番ね」
トロットもトトの言葉に頷きます、そしてでした。
腹ペコタイガーがです、ヤマアラシのところに来て彼に尋ねました。
「どうして道の上で止まってるのかな」
「うん、実はね」
ヤマアラシは腹ペコタイガーにすぐに応えました、悪い態度ではありませんがそのお顔はとても困ったものです。
「足が痛くなってね」
「足が?」
「動けなくなったんだ」
それでここにいるというのです。
「それでなんだ」
「足が痛いんだ」
「右の前足の肉球のところがね」
「肉球のところ?」
「そこが痛くて仕方ないんだ」
「肉球だね、またどうしてかな」
腹ペコタイガーはヤマアラシの言葉を聞いてまずは考える顔になりました。
そしてそのうえで、です。すぐにこうヤマアラシに言いました。
「よかったら見せてくれるかな」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ