自分の流儀を貫いて
8話:原作開始。そして謎出現
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っかで選択肢間違ったな。前の選択肢に戻らないと。
「セーブデータはっと、げっ、ねぇ!」
どうやら、セーブし忘れていたらしく、今までの、このヒロインを攻略したデータがなかった。なんたる、不覚!
「最初からやんの、めんどくせぇ……」
あの選択肢まで、かなり長かった。それなのに、なぜセーブしていなかったのか。しかし、過去はもう取り返すことはできない。
「でも、やるしかな……お、ステラ、どうした?」
俺の座っている横には、いつの間にかステラがいた。全然気づかなかった。隠密とか得意なのだろうか?
(まぁ、俺が熱中し過ぎてただけだろうなぁ)
ステラはわたわたと手を振りながら、口をパクパク動かしている。ステラはフッケバインが自動操縦中だと、思考・計算機能の大半を使用するから、言語能力と複雑な思考能力失ってしまい、日常生活には支障はないけど、しゃべれなくなってしまう。何を言いたいのか理解できるようになったのは、最近。それまでは、アルの通訳頼り。本当はステラ、饒舌で強気な性格。初めて見たときは、かなりビビった。
「えっと、『ご飯食べないの?』かな?」
うんうんと頷きながら、さらにジェスチャーを続けるステラ。
「うーん、『ダレンお兄ちゃん、食べてないよね? なくなっちゃうよ?』か……いや、俺今からゲームの続きをしようと思ってたんだけど」
そう言うと、ステラは俺をグイグイ引っ張ってきた。必死になにか伝えようとしている。
「『ダメ、食べなさい!』って? でもなぁ」
そう言っても、グイグイグイグイ。延々と続きそうだ。仕方ない。
俺はパソコンを持って立ち上がり、
「わかったよ、行くよ」
そうすると、ステラは笑顔になった。それを見て、思い出すのはマリの笑顔。俺のこの世界で初めての友達。そして、……いや、あれは違うか。
俺は自分が今どんな顔をしていたのかはわからなかったが、きっと思い詰めていたような顔をしていたのだろう。ステラが「どうしたの?」とでも言いたげな顔をしていた。実際、しゃべることができたのなら、言っていたかもしれない
「大丈夫、早くいくか行くか。ほら、肩車〜」
ステラを肩車して、ダッシュ。前に一度、ステラにやったらお気に入りになったらしく、度々やっている。いつもより、高い所から見る景色と、流れていく風景が好きらしい。フッケバインの中だから、壁しかない。今度外でやってみるか。
あぁ、来るべき“約束の日”には備えておかないと。
しかし、最近マリのことをかなり思い出す。寝てもあの頃の思い出が夢として現れる。そして、最後は決まって血にまみれたマリの姿。やはり、あれのせいかな。俺がマリを殺した時の記録映像。
それは、1週間と3
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