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【仮面ライダー×SAO】浮遊城の怪盗
浮遊城の怪盗
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は、海東の方だった。

「ふぅ……お宝をゲットしたっていうのに、逃がしてくれそうにないねぇ」

「……当然だろ」

 とぼけた口調で言ってのける海東だったが、その場を支配する張り詰めた殺気は変わらない。そんな雰囲気の中、溜め息混じりに海東はキリトに語りかける。

「なら……君を倒していけばいいってことだろう?」

 海東がそう言った瞬間、キリトも含めて灰色のオーロラが世界を包み込み、その三人は忽然と姿を消していた。表にいたライオトルーパーたちを片付けたアスナが、先のキリトと同じように駆けつけたものの、もう既に彼らの姿はそこにはなく。

「キリトくん……ユイちゃん……」

 アスナの二人を心配する声は誰にも届くことはなく、ただ空に消えていった。


「っつ……」

 灰色のオーロラに包まれたキリトが次に目覚めたのは、上下左右何もない天空。眼下には今までいた浮遊城《アインクラッド》が存在しており、どうやって立っているのかは分からないが、とにかく落ちることはないらしい。

「ここは……」

 キリトにはその場所に覚えがあった。あのデスゲームをクリアした直後、アスナとともに茅場と語り合った場所。あの時は死ぬ直前のように感じられていたが、もちろん今は意識もはっきりとしている。

「どうだい? このお宝を巡る戦いに相応しい場所だろう?」

「……ユイは物なんかじゃない」

 あの時の茅場のように、少し離れた場所に立っていた海東がキリトに呼びかける。対するキリトからの返答は当然辛辣なものだったが、海東は『やれやれ』と言わんばかりの態度を取りながら、自身が着ていたジャケットを見えない床に敷くと、気絶したようなユイをそっと置く。

「お前……」

「お宝が汚れると悪いからね。じゃあ始めようか」

 腰のホルスターに収めていたディエンドライバーを引き抜き、そのままキリトに向ける――かと思いきや、カードを側面に入れつつ上空に向ける。

「変身!」

『KAMEN RIDE DIEND』

 海東が上空に向けてディエンドライバーの引き金を引くと、海東の周りにいくつかの等身大の騎士のシルエットが現れる。それらが海東の姿に合わさっていき、いつしか仮面の鎧が姿を現し始めた。

 シアンと黒色を基調とした姿――ディエンド。仮面ライダー、ディエンド。

「さて……」

 ディエンドに変身した海東は、改めてキリトへと銃口を向ける。それが戦いの合図であったかのように、両者の力は全開していく――



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