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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十話「暗闇の中から、希望への脱走」
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あ、酷いもんだ。あの娘達が転んだ際に靴に泥がかかったと言って…。言い掛かりもいい所だよ。こんな場所なんだ、普段から泥だらけの癖に」
「くそっ!行くぞ、リュカ!」
「ああ。急ごう、ヘンリー!」

リュカとヘンリーは二人を庇う様に前に立ち、兵士達に殴り掛かる。

「止めろぉーーっ!」
『な、何だ貴様等。邪魔をするなら貴様達も…』
「上等だ、やってみやがれっ!」
『ぐわあっ!』

魔法を使えるという事がばれると何かと厄介なので通常攻撃だけに留めてはいるが、それでも二人と監視兵達では力の差は歴然で次々と倒して行く。

「何だ騒がしい!これは一体何の騒ぎだ!?」

其処に鎧を身に着けた兵士が現れた。
その兵士は倒れているリリス達を見ると驚いた様に目を見開いた。
それは彼女達も同様で二人共、信じられない物を見たように驚いている。

「お、お前達は……」
「そ、そんな…」
「何で、ヨシュア兄さんが此処に?それにその格好は…」

リリス達がヨシュアと呼んだ男、それは二人が住んでいた村が教団に襲われる少し前に別の町へと引っ越していった幼馴染で兄とも慕っていた相手だった。

「た、隊長…、こいつ等が突然反乱を」
「反乱だと?言い掛かりもいい加減にしやがれ!俺達は…」
「違います!この人達は私達を助けようと…」
「話は後で聞く、男共は牢獄へ繋げ。女達は手当てをした後、同じ様に牢獄へ繋いでおけ」

リュカ達とリリス達はお互いを庇おうとするが、ヨシュアは取り合おうとせず、兵士達に命令をすると踵を返しそのまま歩き去って行った。


そしてその夜。

「ごめんなさい、リュカさん、ヘンリーさん。私達のせいで」
「気にしなくていいよリリス。悪いのは二人じゃないんだからさ」
「そう言う事だ」
「で、でも、ヘンリーさん…」
「気にするなと言ってるだろ、マリア」

四人は牢獄に入れられ、リリスとマリアは自分達のせいだと言うが、リュカとヘンリーはその事で二人を責める様な事はしない。
そんな時、牢の入口の方から足音が聞こえて来て、リュカ達が顔を向けると其処にはあの兵士が立っていた。

「手前っ!何しに来た!?」
「待って、ヘンリーさん。ヨシュア兄さん…、何故兄さんがこんな所で?」
「知り合いなのか、マリア?」
「うん…、私達と同じ村で暮らしていた…お兄さんみたいな人」

二人の少女は辛そうにそう言うと、その瞳から涙が零れて来た。

「すまない二人共、許してくれとは言わない。むしろあざ笑ってくれ、この馬鹿な男を」

兜を脱ぎ、膝を突いて謝るヨシュア。
そして彼は語り出した、何故光の教団に入る事になったのか。

彼の家族が引っ越した先の街ではすでに光の教団の教えが広まっており、彼等が入信するのに
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