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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十話「暗闇の中から、希望への脱走」
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地獄の中で救いとも呼べる出会いがあった。
それが先程の少女、リリスともう一人の少女マリアである。

二人の少女は同じ村に住んでいた幼馴染だったが、光の教団が教義を広めようとした時、彼女達の村はそれを断固として断った為に滅ぼされてしまい、生き残った彼女達は奴隷として連れ去られて来たと言う事だ。

似た様な境遇の四人は共に助け合いながら今日まで生き延びて来た。

「あれから10年か。早くこんな所抜け出さないと……。パパスさんの最後の願いを果たす為にもな」
「親父…。俺達だけなら何とかなるだろうが、リリス達を置いて行く訳には行かないからな。何かいい方法が有ればいいんだが」
「ああ……」

リュカ達は何も無駄に奴隷の立場に甘んじている訳では無かった。
作業をしながらも体を鍛え、瞑想などで魔法力を上げていた。
幸いにゲマに飛び掛った時には呪文を使ってなかった為に呪文が使える事はばれてはいない。
監視兵から隠れ、攫われて来た神父や魔法使い達から呪文を教わったりしていてかなりのレベルアップをしている。
先程リュカが呟いた様に二人だけならば脱獄は何とかなるだろうが二人の少女を置いたまま逃げ出す事は出来ない、マリアとリリスはもはや二人にとってはかけがいの無い存在となっていたのだから。


―◇◆◇―

『よーーし、今日の作業は此処までだ。明日も仕事はたっぷりとあるからな、ゆっくり休んで疲れを取っておくんだぞ。取れれば、だがな。はははははははは!』

笑い飛ばしながら監視兵達は自分達の詰め所に戻って行き、奴隷達も疲れ果てた身体を引きずりながら部屋へと戻って行く。

「ああ〜、疲れた疲れた」
「大丈夫ですか、リュカさん?」
「大丈夫だよ。…だからそんな顔をしないでよリリス」
「だって…」

リリスはさっき頼まれた通りにリュカを膝枕していて、その頭をゆっくりと撫でている。
その隣ではヘンリーがマリアに同じ様に膝枕をされていた。

「そこまで気にする事はないぞリリス、リュカが好きでやってる事なんだから」
「そうそう。ヘンリーが好きでやってる事なんだから気にしなくていいよ、マリア」
「うん」
「えへへ」


そして翌日、事件は起こった。
リュカとヘンリーが何時もの作業をしていると、地下の作業場の方から何やら叫び声などが聞こえて来た。

「何だ、何か騒がしいな」
「…嫌な予感がする」

その予感は的中し、聞こえて来た悲鳴に二人の感情は爆発する。

「きゃああーーー!す、すみませんーー!」
「痛ぁーーいっ!ごめんなさいーー!」

「リリス!」
「マリア!」

二人はすぐさま走り出し、駆け付けたその場所ではリリスとマリアが監視兵に鞭で打たれていた。

「おいっ!何があった!?」
「あ
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