暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第29話「秘められし過去」
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飛べる妖もいるし。
  それに、記憶を再現しているのなら、さっきの司さんも僕の記憶にはないし。...いや、聖司自体は知ってるけど、あそこまで思い詰めていたのは記憶になかった。

「(...聖司、ごめんな。気づいてやれなくて...。)」

  もう過ぎた事とは言え、僕は心の中で後悔せずにはいられなかった。
  僕の思っていた以上に、聖司の心が追い詰められていたなんて...。

「.....行こう。早く、この事件を解決しよう。」

「...そうだね。」

  決意を改め、再び探索に戻ろうとする。

〈っ、マスター!九時の方向から誰か来ます!これは....司様です!〉

「九時....あっちか。」

「えっ!?こ、このタイミングで?」

  明らかに間の悪いタイミングなんだが....。

「う、嘘っ!?志導君達!?ど、どうして...!?」

「...あ、今の私達と司さんって、あまり親しくなってなかったね。」

「...忘れてたのか。緋雪。」

  とりあえず戸惑っている司さん(過去)をどうにかしないと...。

「あーっと...とにかく、情報が欲しいんだけど...。」

「え、えっ?そ、それよりもどうして二人が魔法を!?」

  って、やっぱりそこから説明しなきゃならんか。

「家に帰って嫌な予感がしたら上空に飛ばされた!以上!」

「そんな説明じゃ分からないよ!?」

  いや、とりあえず大まかな部分を教えて落ち着かせようと思って...。

「で、魔法が使えるのは...デバイスを持ってるからだね。」

「え、あ、そっか。デバイスあったら、魔法の一つぐらい、使ってもおかしくないもんね...。」

  リヒトとの出会いとか説明したら長くなるし、簡単に説明しておく。

「(....今気づいたが、この時の事件の記憶はどうなっている?今この場で司さんに出会ったなら、未来での司さんも僕らについて知っているはずだ。どうして...?)」

  多分、だいぶ忘れてしまった“原作知識”で分かるのだろうけど...。
  ....待てよ?確か司さんは....。

   ―――...どこか、既視感があったの。

「(既視感...つまり、見た事がある気がした。でも記憶にない...。記憶が消されている?)」

  確かに、未来から来た人物が関わる事件なんて、記録どころか記憶にも残しておけない。僕は過去に遡る事さえ一つの流れだと言ったけど、それでも未来の事を覚えっぱなしは危険だ。

「(...いや、待て!そうなると僕と緋雪の戦う事で既視感を感じ、司さんがあそこまで嫌な予感がしたって言うのなら―――!!)」

〈マスター!上空に転移反応!これは...マスターの時と同じです!〉
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