暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第29話「秘められし過去」
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..。」

「(病気...?治る....?)」

()()のせいで巻き込んでしまって....ごめんなさい、優輝君.....。」

「え.......?」

  “お母さんお父さん”“病気が治る”....そして、僕の名前。
  この三つのキーワードに、思わず耳を疑った。

「.....聖司....?」

「っ......!?」

「え?お兄ちゃん?」

  思わず呟いたその名前に、司さんの偽物が動揺したのが見えた。
  同時に、黒い靄も揺らめく。...司さんとリンクしてるのか....。

「優輝君....?優輝君なの.....?」

「まさか...本当に聖司なのか...?」

  TS転生者だとは、ステータスを視た時にとっくに知っていた。
  だけど、前世の名前とかまでは見られなかった。
  まさか、あの日実の母親に殺された聖司だなんて.....!?

「お兄ちゃん、“聖司”って一体....?」

「....前世の、親友の一人だ。」

「嘘..!?じゃあ、司さんってもしかして...!?」

  僕自身も驚いている。まさか、聖司が転生していたなんて...。

「そんな.....ボクのせいだ....ボクが巻き込んだから....。」

「聖司....お前は...。」

「こないでっ!!」

  瞬間、僕と緋雪は咄嗟にその場から飛び退く。
  すると、次の瞬間には靄が先程までいた場所を薙ぎ払っていた。

「ボクと関わったから、ボクなんかがいたから....!優輝君を巻き込んでしまったんだ!だから転生なんて....死んでしまう目にも遭ってしまったんだ!!」

「.......。」

「全部、全部....ボクの...せいで....。」

  悲しみを吐露するように司さんの...聖司の闇の欠片は涙を流す。

「....緋雪、下がってて。」

「えっ?お兄ちゃん?」

「...これは、僕が倒す。」

  緋雪を下がらせ、僕は臨戦態勢に入る。

「....親友として、僕がやらなきゃいけないんだ。」

「お兄ちゃん....うん、わかったよ。助けが必要ならいつでも呼んで!」

  しかし、不用意に接近するには嫌な予感しかしない。
  なので、最初は様子見で....。

「っ、こないでってば!!」

「っ!」

  また靄が薙ぎ払われたので、躱す。

「....やっばい威力だな。受け流せるのか?」

  躱す際に設置型の防御魔法を置いたのだが、いとも容易く破られた。

「黒い靄....。司さんの能力は祈りを実現する能力.....。」

  そう、つまり感情によって左右されたりもする能力だ。

「っ....!(ま
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