暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第29話「秘められし過去」
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、織崎君の事じゃないよね?」

〈おそらくは。〉

「(...もしかして、転生する前の奏ちゃん...なのかな...?)」

  そんな事を考えながら、私は原因究明の探索に戻ろうとした。

〈マスター!二時の方向にて、魔力反応が!〉

「っ、本当だ。.....戦闘?」

〈はい。一つと...恐らく二つの魔力反応がぶつかりあってます。〉

  結構離れてるのに感じ取れるって、相当な魔力だよね....。

「...行こう。シュライン。」

〈はい。マスター。〉

  ぶつかり合うって事は、片方は確実に偽物じゃないはず。
  もしかしたら、追い詰められてるかもしれない!だったら、助けないと...!











   ―――時は少し遡り...





       =優輝side=



「...ん?あれは...?」

  飛行中、視界の奥の方に何かを見つける。

「緋雪、見えるか?」

「んー....なんか....靄みたいなのが見えるよ?」

  靄?なんでそんなものが..って、ただの靄じゃないか。

「とりあえず、警戒しつつも近づいてみよう。」

「うん。」





「....なんだ、これ....?」

「き、気味が悪いよ...。」

  近づくと、そこには黒い靄のようなものが中心から吹き出ていた。
  魔力も感じ取れるが、緋雪の言う通り気味が悪い。

「っ、あれは.....司、さん....?」

「えっ!?ど、どうして....!?」

  靄の中心地点には、司さんらしき姿が見えた。
  バリアジャケットも以前見た事があるものだし、間違いないはず。

「......偽物...ではあるはず。」

「に、偽物だからってこうなるの!?」

「さ、さぁ...?なるんじゃないの?」

  解析魔法を使ってみるが、靄の魔力に妨害されて分かりづらい。一応、司さん本人の波長とは少し違うとは分かったけど...。

「―――ごめんなさい....。」

「えっ.....?」

  暗く、響くように声が聞こえた。...司さんの声だ。

「ごめんなさい....ごめんなさい.....。」

「司...さん.....?」

  何かを深く後悔するような、そんな謝罪の声に、僕は戸惑う。

「お、お兄ちゃん...どうしたら...。」

「(倒すのは変わりない。けど、何かおかしい...。)」

  それに、不用意に攻撃するのは....。
  そう考えていた僕の耳に、また司さんの言葉が聞こえてきた。

「ごめんなさい....お母さん、お父さん...。病気が治ってしまって、ごめんなさい..
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