第2章:埋もれし過去の産物
第29話「秘められし過去」
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限りだと、大規模で張った結界内のどこにでも偽物は出現するらしい。
...正しくは、出現する範囲に結界を張ったんだけどね。
「その内、群れで攻めてくるとかないよね?」
ただでさえ、偽物とはいえ知り合いが暗くなってるんだ。
精神的にも少し辛い...。
〈マスター。〉
「...っと、言ってる傍からまた....。」
魔力を持つ誰かが佇んでいるのをシュラインが感知する。また誰かの偽物だ。
この辺りは私に任せられたから他の皆はいないはずだしね。
「あれは...奏ちゃん?」
〈バリアジャケットも纏っていない....病院の患者が着る病衣を着ていますね。〉
「んー...どういうことだろう?」
今まで出会った偽物は皆バリアジャケットを着ていた。
まぁ、偽物が皆魔導師や騎士だから仕方ないんだけど...。
....でも、奏ちゃんも魔導師なはず。なのに、どうしてバリアジャケットを纏わないどころか、病衣なんて着て浮いているんだろう?...偽物だとしても気になる。
「....ここ、どこ?」
「(上空...って答えればいいのかな?この質問は。)」
どこか現実を見れていないような表情でそう呟く奏ちゃんの偽物。
「....?髪が白い?...おかしい、私って、茶髪だったはず...。」
「えっ....?」
何かが食い違っている。まるでそんな風に聞こえたため、つい声を出してしまった。
「...誰...?」
「えっ...と.....。」
今までの偽物とは違う気がして、少しどもってしまう。
「っ....今、貴女は夢を見ているようなものなの。だから....!」
「っ!?」
―――ギィイン!
心苦しいというか、明らかに非人道的なやり方だけど、奏ちゃんの偽物を倒すため、シュラインを振う。...けど、それは偽物の手首辺りから生えた剣に防がれた。
「ハンドソニック...!」
「っ、いきなり...なにするの...!?」
「ごめんなさい!でも、こうするしか...!」
再び、シュラインを振う。
「あぐっ....!?」
一度はまた防がれたけど、シュラインを回転させ、柄の方でお腹を殴る。
「....ごめんね。」
〈“Holy Smasher”〉
怯んだ隙にバインドで拘束し、砲撃魔法で撃ち抜く。
「そんな....まだ、あの人にお礼を...言えてない.....の..に.....!」
「..........。」
そんな悲痛な言葉と共に、奏ちゃんの偽物は消えて行った。
「“あの人”....って
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