暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
リベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 二話
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
マロに覆われていた。さいわい、それがクッション代わりになって顔面を強打することだけは免れたが……
「き、キサマ……!?」
箒は、顔を赤くして自分が何をされているかという状況に気付くと、覆いかぶさる玄弖を突き倒して、素早くロッカーから一本の竹刀を取り出した。
「いったぁ……お! アンタか? 探したんだぜ? ほら、コレ……」
しかし、持ち主の少女は何やらドス黒いオーラが漂っていた。
「あ、あの……」
気まずくなった玄弖は、恐る恐る訳を尋ねようとするが、
「問答無用……!」
と、箒は竹刀を上段に構える。
「ま、待て……とりあえず落ち着いて!?」
「天誅っ!!」
その後、玄弖の顔面にはおびただしいほどの痣が浮かび上がり、頭部には鏡餅のようにタンコブが二重に積み重なっていた。
ボコボコにされた玄弖は、とりあえず箒に事情を説明し、箒も徐々に落ち着きを取り戻し、彼の話を理解した。
「……成程? だが、不法侵入は犯罪なんだぞ?」
と、箒は一般常識を教えるが、エリア14で育ってきた玄弖にとって、そんなルールなど知る由もなかった。
「す、すまん……でも、俺はアンタのためにこれを?」
そう、玄弖は箒にペンダントを指しだした。
「こ、これは……!?」
彼女は、急いで玄弖の手にあるペンダントを受け取ると、それを大事そうに見つめた。
「せっかく、これを届けるために来たのに……さっきの事故ぐらいは見逃してくれよ?」
泣きそうな顔で玄弖は言う。
「……」
箒は、そんな世間知らずの青年に対し、騒がせ者だと困った目を向けるも、時期に溜息をつきながら微笑んでやった。
「ま……そうとは知らずに暴行を加えてしまった私にも非はある。医務室へ来い? 手当てぐらいはさせてくれ」
箒は、玄弖を連れて近くの医務室へ向かった。幸い、保健室の教員は留守だったため、気がるに玄弖を連れて入ることができた。
「い、いてて……!」
箒がぬる消毒液が、玄弖の頬の傷がしみる。
「すまん。痛かったか?」
「いや、こんな痛みはエリア14じゃ日常茶飯事だからな?」
エリア14で喧嘩や乱闘は日常茶飯事である。死者は滅多にでないが、怪我人だけは必ずでる。
「その……お守りを届けに来てくれたことに、礼を言おう?」
「いいってことよ?」
「それと……あの時、私を助けてくれたことにも感謝したい。あのとき、礼を言わずに愛想悪く帰ってしまった無礼、許してくれ?」
「ああ、別にいいよ? 感謝してくれてるなら、俺も助けた甲斐があった」
徐々に玄弖の腫れや痣は薄れていき、玄弖は椅子から立ちあがった。
「……世話になった。俺は、そろそろ行くよ?」
「せっかく来たのだし、もう少しゆっくりしていけばいい?」
「え、けど……」
「後から私が警備員に厳しく注意しておく。案ずるな?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ