第12話 元旦の来訪者
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バゴォ??
大輝「いたぁ??」
剛太郎が突然殴ってきた。頭を。
剛太郎は俺を遥かに超える武術の達人なので、奴の拳打はかなりのダメージになる。
…やっぱり剛太郎は怒っているらしい。しかし、なぜなのか全く身に覚えがない。とりあえず理由を問いただしてみることにする。
大輝「…なんで殴ったの?」
剛太郎「さっき頭にナックルボールが飛んできた」
剛太郎「推測するに僕がこんなことになったのは無能なバッターが空ぶったからだと想定した訳であって。」
大輝「それでこの行動か。」
まぁだいたいの理由は理解した。ってか怖いよ剛太郎。さっきから妙に無表情なんだもの。それにもう一つ。打てない俺じゃなくてナックルなんか投げる奴が悪い。
剛太郎「はいこれ。」
大輝「あぁ…いつも悪いな。」
剛太郎「なに、うちの親父の勝手なお節介さ。」
剛太郎から白い発泡スチロールの箱を貰う。中身はわかっているので特に問いただしたりはしない。
剛太郎の家は実は有名な料亭である。この時期は市場がだいたい休みになってしまうため大量に材料を仕入れるらしいのだが、生鮮食品などは短い消費期限を前にどうしても余ってしまう。そこで、その余った食材をタダで毎年もらっているのである。余りと言っても主な問題は消費期限くらいなものであって今日中に食べてしまえば品質に変わりはない。有名な《しかも高級》料亭の食材をタダで分けて貰えるのだからこれを活かさない手はない。フフフ。
ー1時間後ー
剛太郎は俺たちに混ざって野球をしてその後帰った。あいつがまさかナックルを打ち返せるとはな。若干人見知りな感じがあったレンも剛太郎とはうまく打ち解けられたみたいで、楽しい一時だった。
さて、野球にも飽きて少し休憩をしていた時だった。我が家に…実際には我が家の庭に来訪者がやってきた。
「もしもし?那覇さんのお宅でしょうか」
大輝「はい、那覇ですけど。」
大津「ほうですか??」
大津「初めまして、アンドロイド研究所の《大津 誠》
と申します。」
大津「あんちゃんが那覇大輝君やね?」
大輝「はい。那覇大輝ですけど…」
来訪者は2人組だった。ひょろっとした若い関西系の男とピンク色の髪をしたナイスバディな女性…いや、
大輝「…巡音ルカ」
大津「お??あんちゃん物分りがいいなぁ。
せや、こいつは有名ボーカロイド《巡音ルカ》や。」
ルカ「…初めまして」
巡音ルカは俺に向かって深々とお辞儀をする。その姿に俺はなぜか恐怖を覚えた。確かに変わったとは言っても他人に対する恐怖はあるし、それが原因の一つではあるだろう。だが、それだけではない。まるで感情が感じられないのだ。感情があるアンドロイドの方が実は珍しいだけなのかもしれないが、今まで
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