第12話 元旦の来訪者
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ー大輝視点ー
…皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
レン「…なに独り言呟いてるんですか。」
大輝「いやだってさ、新年になったってのによく考えれば一回も言ってなかったなぁと思ってさ。」
レン「アケオメコトヨロー」
大輝「…みんなそれで済ましちゃうからなぁ。」
レン「いいじゃないですか。ラクで。」
レン「それよりも、もうボール投げてもいいですか?」
レン「寒くて死にそうです。」
大輝「おう。どんな球でも来い??」
1月1日。つまり元旦。
今日は日本人のうち8割は休んでいるある意味日本最強の休日。本当ならリビングでソファーに寝転がりながらテレビでも観ていたかったところだったが、俺は何故か家の狭い庭でレンと野球をしていた。ちなみに俺がバッターでレンがピッチャー。
何故かと言う疑問系を使ったが理由は明白である。鍵がないのだ。ミク・リン・伽耶の女子チームは今、最寄りのデパートで主に福袋を手に入れる為のショッピングをしている。厄介なのはその女子チームで、先に俺とレンでスーパーに買い物に行っている最中に合鍵を何故か4つ全部持ってショッピングに向かってしまってたのである。つまり今、俺達には鍵がない。それに加えて今日は、今季最強の寒波の襲来によって恐ろしいほどの冷え込みを観測していた。よって何かをしなければ凍死する可能性があったのでスポーツをしているのである。ちなみに我が家にはグローブが1つしかない。
レン「じゃあ…はい。」ヒュン??
レンが大きく振りかぶって俺のストライクゾーンに向けて渾身のナックルボールを投げてくる…いや待て。確かに俺はどんな球でも打ち返すと言ったがあくまでストレートを想定したセリフであって、ナックルみたいな変化球を打ち返せるわけないだろ。まぁそんなツッコミと共に俺のバッティングは空を切る訳であって。
レン「あぁ…空振りですか。へぼ。」
大輝「…じょうがねぇだろ。プロじゃないんだから」
昨日1日でレンとはだいぶ仲良くなった。初対面だったけど、お互いに何か通じるところがあったのか不思議な距離感を保ってくうちになんだか打ち解けることができた。昔の俺ならありえなかったことだ。やっぱり、少し変わったのかな。だけど、レンは話していてかなり面白いと思う。普段は気だるそうにしているんだけど、さっきみたいに思いっきりの皮肉を言う時は生き生きとした表情になる。そのギャップが癖になるね。
剛太郎「そうか…さっき、から振ったのは大輝なんだね」
大輝「よぉ??剛太郎じゃん。アケオメコトヨロー。」
レン《結局自分も使うんだ…》
突然、我が家の庭に俺の親友である剛太郎が入ってきた。こいつもレンと似たタイプなんだよなぁ…ってアレ?何か怒ってる?
剛太郎「アケオメコトヨロー。」
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