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101番目の舶ィ語
第五話。異界の迷い家
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にはまだやらないといけないことがあるだろう。帰りを待っているかもしれない奴らがいるのに、そんな一時の感情に身を任せていいのか? よく、考えろ! 遠山金次()!』

悪魔(モンジ)の囁きに、天使(普段の俺)が反論する。
そうだよな、いくら本人がそう言ってくれてるとはいえ。
こういったことをするにはまだ早いよな。俺も彼女も。
そうは思っているのだが……

「ここは夢の中ですし、現実の体には特に影響も出ませんし、その……私とモンジさんが黙っていれば、誰にも何も解りませんし……」

彼女の口から魅力的な言葉が出まくる。
そういった妄想やよくない夢とかも当然見たことはあるわけで。
そして、今の状況だと、所詮夢の中だしね、で話は通ってしまうのだ。だったら______

ドクン。
ドクドクドクドク______ッ!

血流は高まり、俺は俺じゃなくなる感覚に陥っていく。
ああ、ダメだ。抑えが利かなくなりそうだ。
鳴央を見上げれば、そこにあるのは必殺の上目遣い。
ああ、ダメだ。
そんな表情をされたら。






俺は死ぬ。






「ぐはっ」




一文字疾風(遠山金次)。
この世界に来てから。
俺は三度目の死を迎えた。











全身の力が抜けて、そのまま床に倒れる俺。
慌てて鳴央ちゃんが近づいてきたものの、俺は床に寝そべったままでいた。

「わわっ、どうしました??」

「いや、君のあまりの可愛いさが俺の臨界点を突破したんだ」

自分で言っといて意味が良く解らないが、とにかく自分の中で抱えきれない想いが爆発したのは間違いない。

「ええと?」

当然、鳴央ちゃんが理解できるはずもなく。

「いや、ええと……膝枕だけで満足できるってことだよ。それ以上はまだ俺にはハードルが高いっぽいからね。ははっ」

ちょっと笑ってしまいなからも、ゴロンと仰向けになる。
俺の返答に俺を覗き込むように見ていた鳴央ちゃんはクスクス笑い。

「実は私もまだハードルが高いな、って思っていました」

そんな言葉を言ってくれる。

「そっか。危ないところだったよ、鳴央ちゃん。君の魅力にメロメロになっていたからね」

「そう言って貰えるだけで、嬉しいんです、今は。ありがとうございますね」

俺の頭を軽く撫でると、俺の頭を少し上げてそこに膝を割り込ませてきた。
もしかしたら……いや、もしかしなくてもこれは……。

「やっぱり君のこれは最高だな」

「ふふっ、ありがとうございます」

ああ、最高だ。
心地いい。ずっとこうしていたい!
前にもして貰った記憶はあるが、あの時よりもなんだろうな。俺達の距離は近くな
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