第五話。異界の迷い家
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そんな和服姿の美少女と二人っきり。
ドキドキするな、という方が無理な相談だ。
だから、さっきのアクシデントでヒステリアモードが強化されても仕方ないよな?
「もうその存在を確認することは出来ませんがしばらく用心した方がいいかもしれないですね」
鳴央ちゃんは注意を呼びかけてくるがやはりその姿も可愛いらしい。
「どうしたんですか?」
「ああ、いや、やっぱり鳴央ちゃんは可愛いなー、と思っただけだよ」
「もう、モンジさんったら。でも……ありがとうございます」
照れて顔を真っ赤に染める鳴央ちゃん。
うむ。やはり、和服姿の美少女がもじもじするのはとても可愛いらしい。
「こう……」
「うん?」
「モンジさんが、疲れてたり、苦しかったりしたら、せめて自分で何か……例えば、ご飯を作ったり、ひ、膝枕とか、出来ればいいな、なんて思って、お招きしたのですが……」
HIZAMAKURA。俺の視線は否応なしに、その足に吸い寄せられた。
和服に包まれた、柔らかそうな太ももの盛り上がり。そこに頭を乗せるのは、とても気持ち良くて幸福なことだろうな、うん。
「で、ですが、その……」
両手でほっぺを包んで、さらに言いづらそうに続ける。
「男の子の妄想は、その、激しいと言いますか、もっと直接的だから、気をつけなさいよ、と音央ちゃんには言われているので……」
音央の奴、なんて忠告をしているんだ。だが、音央が言いたいことも解る気がする。
色んな妄想を掻き立てられまくっている音央からしてみると、そういう男の妄想に辟易しつつも気をつけているのだろうからな。そんな状況の中で自分の姉みたいな存在が現れたら、色々気にかけるのも解るのだが。
などと納得していると。
「もっと、激しい方が……いい、です、か?」
鳴央ちゃんの口から爆弾発言が飛び出した。
ナニを言ってるんですか、鳴央さん??
この時俺の中で、相反する二つの想いが浮かんだ。
『いいのか俺? ここで、鳴央ちゃんの申し出を断っていいのか、俺?? こんなチャンス生涯二度とないかもしれないんだぞ。しかも、向こうから言ってくれているんだ。膝枕だけでも魅力的な提案なのに、もしかしたらもっと凄いことをしてくれるかもしれないんだぞ!
ここは攻めるべきだろう、一文字疾風!』
「……そうかもしれないな」
鳴央ちゃんの方から言ってくれたんだ。ここで断ったら恥をかかせることになる。
男として。いや……武士として、据え膳食わねば名折れになってしまうよな?
『やめろ! 落ち着け! 早まるな!
ここで誘いに乗っちまったら取り返しがつかなくなるぞ!
確かにこんなチャンスもうはないかもしれんが、お前
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