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101番目の舶ィ語
第五話。異界の迷い家
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バキメキグシャッ!






と、そんなことを思っていると。
何処からともなく、何かが壊れるような物音が聞こえてきた。

「ひゃっ??」

鳴央ちゃんはビビったのか、びょん! 俺に飛びつくように抱きついて来て。
むにん。彼女のその柔らかい部位が俺の顔を包み込んだ。
や、柔らかい。
なんて気持ちいいんだ。
ああ、天国はこんなところにあったんだな。
彼女のソレを堪能しつつ。
それが来るのが解る。

さあ、来たぞ。
ヤ ツ が 来 る ぞ??

血流が体の芯に集まり。
夢の中でも俺はなって(・・・)しまった。
夢の中でもヒスれるんだな。
ああ、これが本当の夢ヒスかぁ。
なんて思いつつ。
そして、なったことでその異常に気づく。

(……何だ、今の物音……?)

周りを見渡そうとしたが______
は、離れられない!
あ、当たってる?? 弩級戦艦が。
鳴央ちゃんの……む、胸が! お胸様が俺の視界のみならず、鼻と口を塞いでいて……く、苦しい??
息が出来ない??
しかも、頭を両手でガッチリホールドしている??
ま、まずいぞ。
さすがの俺でもこの戦艦には勝てそうにない。

「ふがー、ふもー、ふはへへ!」

(苦しい、早く、離れてくれ!)

俺は鳴央ちゃんに訴えかけた。
しばらくして、鳴央ちゃんは俺の顔を放してくれたが。
彼女はかなり混乱していた。








「あうー、す、すみません。モンジさん?? い、今の音聞こえましたか? まさか『異界の迷い家(テイルナノーグ)』が破られるなんて」

彼女のその言葉に、彼女の視線の先を見つめると。
そこは。
和室の障子がビリビリに破られていて。
その先にある廊下、その先は村が見渡せる庭になっているのだが。その庭の上空。そこの空間が歪んでいて。
まるで鏡が割られたかのようにひび割れていた。

「この空間の破損具合からすると、『異界』や『空間』に精通しているモノの仕業かと思います」

庭の惨状を目にした鳴央ちゃんは視線を向けたまま語りかける。

「ということは……」

「はい。紛れもなく、ロアの仕業です。それも『空間系』の仕業ですね」

流石は神隠し。
俺が知らないロアの知識を幅広く持っている。
大和撫子のような清楚な容姿に、豊富な知識。
そして、女性としてとても魅力的なものを持っている鳴央ちゃんをマジマジと見てしまう。
外見も音央そっくりでとても可愛いらしいしな。
まあ、元々の音央はこちらの鳴央ちゃんの方なのだから、正確に言えば音央が鳴央ちゃんに似ているのだが。
ああ、ややこしいな。
ともかく、色目なしで見ても鳴央ちゃんは美少女だ。
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