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101番目の舶ィ語
第五話。異界の迷い家
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が倒して『なんとか』したらしい。
具体的にどうしたかは解らないが。あれ以来『人喰い村』は現れていないようなので解決したと判断している。

「モンジさんが、元気そうで良かった。少しだけ、心配していました」

鳴央ちゃんは胸に手を当ててホッ、と小さく息を零して安心してくれる。
そんな彼女を見てどれだけ周りの人達に心配をかけているのかを痛感する。

「そっか、悪いな。心配させちまって。それと、その……ありがとうな。心配してくれて」

「いえ。私はモンジさんに救われましたので、それくらい当然です。むしろ、あまりお役に立てなくて申し訳ないな、と」

「それは違うぞ。充分過ぎるほど俺は助けられてる」

『ベッド下の斧女』というロアになっていた綴を異空間に放り込んでくれたり(自力で脱出しやがったが)、俺が氷澄やライン、キンゾーにやられそうになった時に『妖精庭園(フェアリーガーデン)』に引き込んでくれたり。鳴央ちゃんがいなかったらと思うと背筋がゾッとしてしまうほど助けられている。

「モンジさんにそう言って頂けるなら、嬉しいです」

鳴央ちゃんのその奥ゆかしい言葉や態度に、ドキッとしてしまう。
お淑やかな女の子が和服姿でいる。
その光景に俺の心臓は……その鼓動は……血流が高まる。
ああ。やっぱりお淑やかな女の子が和服を着るとその魅力は……その色気は凄まじいものがあるな。
よくアランが『女の子にどんな服を着て貰いたいか』なんて会話してくるが、メイドやナース服なんかもアレはアレでいいものだが、アランにも巫女服や和服の魅力を教えてやりたいね!
昔、武藤が『可愛い大和撫子が巫女服や和服を着るとその魅力は100倍増しになる』などと、言っていたが。今ならその気持ちも理解出来る。

「まあ、会いに来てくれたのか夢に引き込んでくれたのかはさておき。夢の中でも会えたのは嬉しいさ」

眠ったら和服姿の美少女がいた。そんな現実なんて贅沢なんだ。しかし寝る前はキリカと電話して、その前は妹と食事。これだけ並べると、俺はかなりのリア充なのかもしれないな。

「もう、モンジさんったら」

鳴央ちゃんはさらに頬が赤くなった事を自覚したのか、自分のほっぺをそっと撫でて熱くなっていることに気づくと、さらにはにかんだ。

「ええと、その」

そして、再びもじもじと何かを話そうとしているのだが、気づけば耳まで赤くなっており、気のせいか目も潤んでいるような気がする。
そんな彼女の姿を見てしまい。
ゴクリ。
その内容は全く予想もつかないが、彼女がとても恥ずかしがりながら何かを言おうとしてくれているというのは解る。
今いるここは夢の中。
二人っきり、誰にも邪魔されるものはない、というシチュエーション。
ということはもしかして……!


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