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水の国の王は転生者
第十八話 王子の目
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「ショバ代?」

「ああ、こっちの話」

 マクシミリアンの脳内では、この状況を利用してアントワッペン内のヤクザ者を一掃させる事を考えていた。

「もうすぐ着きます」

 マクシミリアンが暴力団殲滅計画を練っていると、フランシーヌが到着した事を知らせてくれた。
 人気のまったく無い区画で、目的の部屋には人の気配がする。

「それじゃ、突入する前に室内の状況を調べよう」

 マクシミリアンは、ピストル2挺と包丁1本の他に、眠らせたヤクザ者から、さらにピストル1挺とダガーナイフを1本を奪っていた。

「殿下自ら戦わずとも良いのでは?」

「まだそんな事、言ってるのか。戦力は多いほうが良いだろう? それに……もう僕は、人を何人か殺してるんだ、この期に及んで、戦うなとか言うな」

 すこし怒気を孕んで言う。

「も、ももももも申し訳ございません!」

 フランシーヌは土下座しだした!

「ちょっと!? 声、声が大きいよ」

 マクシミリアンはオロオロとうろたえ、フランシーヌは顔を青くしたまま固まっている。

『ん? なんだ? 声が聞こえたぞ』

『ちょっと、見てきます』

 ヤクザ者の声が聞こえた。
 思いっきりばれたようだ。

(ヤバイヤバイ)

 辺りを見渡すと隠れられそうな部屋は無い、マクシミリアンは決断を迫られた。

(こうなったら!)

 トトトト……と、音を立てないように小走りで駆けると、近くのドアが開いて男が顔を出した。
 マクシミリアンは、立ち止まらずに腰に挿したダガーナイフを、男の右目、目掛けて付き立てた!

「うおっ……!」

 しかし、付き立てたダガーナイフは目標を外れ、両目の間の部分に刺った。
 ガキリと、骨の感触がナイフの柄から感じ取れた、だが勢いに乗ったナイフは骨をズルリと滑り、右目の奥へ奥へと突き刺さった!

(脳まで達した!)

 マクシミリアンは、刺さったダガーナイフの柄を、ぐるりと回転させ脳を破壊した。
 崩れ落ちた男は、びくんびくんと痙攣している、もう助からないし助けるつもりも無い。

「だ、誰だてめぇ!」

 もう一人の男は、絶叫に近い声を上げた。

(声は一つしかしなかった!)

 一応、絶対音感の持ち主のマクシミリアンは、男の声の他に別の声を感じなかった。

(見張りはこの二人だけだ!)

 瞬間、マクシミリアンの目が光った!
 本日、三回目の破壊光線である。
 二条の破壊光線は男の腹に当たり、絶叫を上げながら灰になった。

「……」

 室内に入ったマクシミリアンは周囲に気を張った。

「……」

 読み通り見張りは二人だけで、室内には人の気配は無い。

「殿下……」
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