第十八話 王子の目
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っています」
「ひょっとしたら、僕の杖も一緒かも知れないね。案内してもらえますか?」
「分かりました。付いて来て下さい」
そして、マクシミリアンはフランシーヌの後を付いて行った。
「そういえば……」
「何でございましょう?」
警戒しながら、杖のある場所へ向かう途中、マクシミリアンは気になっていることを尋ねてみた。
「フランシーヌって、背が高いよね、一体どれくらいあるの?」
と、失礼と思ったが質問した。
「前に測った時は、180サント程……でした」
フランシーヌは顔を真っ赤にしながら答えた。
だが、マクシミリアンは違和感を感じた。照れの赤ではなく羞恥の赤だったからだ。
(スーパーモデル並の体系なのに……)
と、マクシミリアンは首を傾げたが、答えはすぐにフランシーヌの口から出た。
「やっぱり、おかしいですよね、私って……」
「どういうことですか?」
「実は私、今年で14なんです」
「えっ!?」
マクシミリアンは思わず声を上げた。
てっきり、20歳前後だと思っていたからだ。
ちなみにマクシミリアンの身長は165サントだ。
「14なのに、こんなに大きくて……殿下、やっぱり、私っておかしいのでしょうか?」
「……ええっと」
マクシミリアンは少し考え……
「世界中にはいろんな人が居ますから。フランシーヌの場合はむしろセクシーで羨ましいって思われるんじゃないかな?」
「そうでしょうか?」
「フランシーヌの事をおかしいって言う人が居たら、その人の見る目が無いのか、もしくは小さい子が好きなんだよ!」
「……」
フランシーヌは黙って頷くと、
「ありがとう……ございます。少し元気が出ました」
そう言って、ニコリと微笑んだ。
あらゆる男を魅了して止まない色気と、何処が儚げな雰囲気とを持つアンバランスな少女に、マクシミリアンは目が離せなかった。
☆ ☆ ☆
フランシーヌに服を着せると、杖を保管している場所へと先導してもらう。
途中、警護のヤクザ者をやり過ごし、運悪く、ばったりと出くわしたヤクザ者には、フランシーヌがスリープクラウドで眠らせた後、見つからないように近くの空き部屋に放り込んでおいた。
「そう言えば、あの人相の悪い連中。前々から付き合いがあったのか?」
「私も詳しい事は分かりません。ですが、以前ドレスを仕立ててもらった商人が、みかじめ料が高いとか何とか……そう言っていたのを覚えています」
「そうか、ショバ代を……ね」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ