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水の国の王は転生者
第十八話 王子の目
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っています」

「ひょっとしたら、僕の杖も一緒かも知れないね。案内してもらえますか?」

「分かりました。付いて来て下さい」

 そして、マクシミリアンはフランシーヌの後を付いて行った。

「そういえば……」

「何でございましょう?」

 警戒しながら、杖のある場所へ向かう途中、マクシミリアンは気になっていることを尋ねてみた。

「フランシーヌって、背が高いよね、一体どれくらいあるの?」

 と、失礼と思ったが質問した。

「前に測った時は、180サント程……でした」

 フランシーヌは顔を真っ赤にしながら答えた。
 だが、マクシミリアンは違和感を感じた。照れの赤ではなく羞恥の赤だったからだ。

(スーパーモデル並の体系なのに……)

 と、マクシミリアンは首を傾げたが、答えはすぐにフランシーヌの口から出た。

「やっぱり、おかしいですよね、私って……」

「どういうことですか?」

「実は私、今年で14なんです」

「えっ!?」

 マクシミリアンは思わず声を上げた。
 てっきり、20歳前後だと思っていたからだ。
 ちなみにマクシミリアンの身長は165サントだ。

「14なのに、こんなに大きくて……殿下、やっぱり、私っておかしいのでしょうか?」
 
「……ええっと」

 マクシミリアンは少し考え……

「世界中にはいろんな人が居ますから。フランシーヌの場合はむしろセクシーで羨ましいって思われるんじゃないかな?」

「そうでしょうか?」

「フランシーヌの事をおかしいって言う人が居たら、その人の見る目が無いのか、もしくは小さい子が好きなんだよ!」

「……」

 フランシーヌは黙って頷くと、

「ありがとう……ございます。少し元気が出ました」

 そう言って、ニコリと微笑んだ。
 あらゆる男を魅了して止まない色気と、何処が儚げな雰囲気とを持つアンバランスな少女に、マクシミリアンは目が離せなかった。










                      ☆        ☆        ☆





 フランシーヌに服を着せると、杖を保管している場所へと先導してもらう。
 途中、警護のヤクザ者をやり過ごし、運悪く、ばったりと出くわしたヤクザ者には、フランシーヌがスリープクラウドで眠らせた後、見つからないように近くの空き部屋に放り込んでおいた。

「そう言えば、あの人相の悪い連中。前々から付き合いがあったのか?」

「私も詳しい事は分かりません。ですが、以前ドレスを仕立ててもらった商人が、みかじめ料が高いとか何とか……そう言っていたのを覚えています」

「そうか、ショバ代を……ね」


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