第十八話 王子の目
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「こうなってしまった以上、トリステイン王国は、決してド・フランドール伯を許さないだろうね」
「……」
フランシーヌは黙ったままだが、徐々に未来へ絶望したような顔になる。
「フランシーヌはこの計画には反対じゃなかったのかな? ド・フランドール伯の命令で夜伽までさせられてさ」
「……殿下、私は」
怯えるフランシーヌに逃げ場所を用意する。
「だから、フランシーヌは僕に協力してくれないかな? みんな、ド・フランドール伯が悪かった……そうだろ?」
「うう、殿下、マクシミリアン殿下! 申し訳ございませんでした!」
フランシーヌは懺悔をしだした!
ボロボロと涙と流すフランシーヌにマクシミリアンは……
(計画通り!)
と、内心ほくそ笑んだものの……
フランシーヌの、まるで神を見るような眼差しに。
(薬が効きすぎたか?)
と、少しだけ後悔した。
「と、ともかく、事件解決に協力してくれれば、ド・フランドール伯は無理でもフランシーヌだけは助かるように執り成しますから。いわゆる司法取引という奴です」
「兄上は、助からないのですか?」
「兄上? やっぱり兄妹だったんだ。さっきも言ったけど、ド・フランドール伯の事は、こういう事になってしまった以上、極刑は免れないでしょう。ですが、フランシーヌが生き残ればド・フランドールの血は残ります」
「そう……ですか」
フランシーヌは、そのまま黙り込んだ。
☆ ☆ ☆
多少問題があったが、フランシーヌの協力を取り付けたマクシミリアンは、情報収集を行った。
「それじゃ、昨日のパーティーに参加した、貴族たちは皆人質に?」
「はい、パーティー会場の大ホールに全員集められているようです。随伴の魔法衛士たちもそこに集められていると聞いています」
「殺されたのは、直接護衛していた二人だけだったのは、不幸中の幸いか」
「申し訳ございません。魔法衛士の皆様には、弁解の使用も無く……」
そうして、ひたすら平謝りするフランシーヌに、いい加減、辟易してきたマクシミリアンは……
「ド・フランドール伯の責任であってフランソーヌの責任じゃないよ。それと、そう何度も頭を下げるのも無し……いいね?」
「……分かりました」
フランシーヌは、そう言ってまた頭を下げた。
「……まぁ、ともかく」
マクシミリアンは咳払いを一つした。
「まずは人質の救出が先だね、僕の杖は何処にあるか分かりますか?」
「殿下の杖の在り処は分かりませんが、人質たちの杖の場所は知
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