機動戦艦ナデシコ
1253話
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は別に構わないが……時間が掛かるんじゃないのか?」
「いえいえ、そんな事はありません。すぐに済みますよ。それで、どうでしょう? 確認の意味も込めて……」
どうでしょうと言われてもな。
この世界に来たのが今日……いや、もう日が昇っていたから昨日か。ともあれ、そんな俺の情報が残っている筈はないんだし、それを調べても無意味だと思うだが。
ああ、でもプロスペクターはそれを知らないんだから、無理もないのか?
「分かった。時間が掛からないというのであれば、それで頼む」
「はい、ありがとうございます。……ルリさん、データの共有の方お願いしますね」
『はい』
その言葉と共に、突然空中に映像スクリーンが浮かび上がり、1人の少女の顔が映し出された。
……若い。いや、幼いな。霞と同い年か、下手をすれば年下じゃないか?
問題はそこじゃない。プロスペクターが呼び掛けた瞬間に反応があったって事は、つまりこの部屋は監視されていた訳か。
若干不愉快な気分にはなるが、そもそも向こうにしてみれば俺は完全な不審人物。
それを自分達の艦内に入れてるんだから、その程度の警戒は必要か。
にしても、改めて見るとやっぱり小さ過ぎる。
「この戦艦は、こんな子供までいるのか?」
『子供じゃありません、少女です』
何かこだわりがあるのか、即座に言い返してくる子供。……いや、本人曰く少女。
「ええ。彼女はホシノ・ルリさん。このナデシコの優秀なオペレーターです。……さて、ではアクセルさん。ちょっと舌を出して貰えますか?」
「……舌?」
「はい。もし本当にアクセルさんの戸籍がないのであれば、これではっきりとする筈ですから」
「まぁ、いいけど」
俺に拒む理由はないという事で、舌を出す。
その舌先に、何かのペンのような物を触れさせると……次の瞬間、部屋の中の明かりが点いたり消えたりを繰り返す。
いや、それどころではない。映像モニタに映し出されている向こう側……恐らくブリッジなのだろうが、向こうの方でも何やら騒ぎが起きているのだろう声が聞こえてきた。
「ルリさん!? 一体、何が!?」
『オモイカネ、落ち着いて……大丈夫、大丈夫だから』
そんな声が聞こえてきて、それから数分。ようやく部屋の明かりが普通になり、映像モニタの向こう側でも騒動が収まってきたのが分かる。
もっとも、このナデシコ全体での事を思えば、今の数分でどれだけの騒動が起きたのかは全く理解出来ないが。
さっきの様子から考えると、恐らく相当なものだった筈だ。
「……えっと、その、ルリさん?」
『少し待って下さい』
プロスペクターの言葉にルリと呼ばれた少女はそう答え……次の瞬間、幾つもの映像モニタが大量に俺の前に姿を現す。
そ
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