機動戦艦ナデシコ
1253話
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はない。
「そうだな、俺の方も今はちょっとした事情があってどこかに身を寄せたいと思っていたのは事実だ。それもあって、あの通信でお前が言った無茶苦茶な屁理屈に何も言わなかったんだから」
「ほう、では契約には乗り気と考えてもいいのですかな?」
「……幾つかの特例を認めてくれれば、引き受けてもいい」
その言葉に、緑茶のコップを握っていたプロスペクターの目の色が少しだけ変わる。
俺みたいな怪しい人間に特例なんか認めさせたくはないだろうから、当然だろうけど。
「特例、ですか? それが可能かどうかは別として、どのようなものか聞かせて貰っても?」
「まず、1つ。俺の機体……ミロンガ改を調べようとしない事。整備は俺の目の届く範囲内でなら許可する」
「……なるほど。他には?」
「これは1つ目に関係するんだが、ネルガルってのはこのナデシコという戦艦を作れるくらいなんだし、ミサイルの類も作れるんだろ?」
「それはまぁ、作れますが」
「なら、俺のミロンガ改が使うミサイルを融通して欲しい」
今のミロンガ改が装備しているのは、S-11ミサイルだ。
一応空間倉庫の中に幾つかの予備はあるが、出来ればミサイルは補給出来るようにしておきたい。
ビーム兵器と違って、実弾兵器はブラックホールエンジンがあっても無限に使えるって訳じゃないからな。
それにS-11ミサイルは恐らくこの世界にとってもオーバースペック……という可能性がある。
「ふむ、それに関してはそれ程難しい事ではないでしょうね」
「また、これも1つ目の件に関係するが、ミロンガ改はあくまでも俺の所有物として扱う事。どこぞの誰かの命令で勝手に機体を持って行かれては堪らないからな」
「……そうですか」
プロスペクターの表情に残念そうな表情が一瞬浮かぶ。
俺が言わないと、機体をどうにかしようとしていたのか? それとも、単純に何か別の理由があるのか。
「2つ目。もう分かっていると思うが、俺は色々と訳ありの身だ。それだけに、俺の過去を詮索するような真似をしない事」
もっとも、この世界に俺の情報がある筈もない。
もし俺の過去を見つけようとするのなら、それこそ次元を越える必要がある。
「それに関連し、新しい戸籍を作って貰いたい」
「ふむ、戸籍ですか? ですが今の戸籍はどうなっているので?」
「残念ながら、今の俺の戸籍は存在していないだろうな」
その言葉を口にした瞬間、プロスペクターの視線が鋭く俺の方へと向けられる。
何だ? まるで何かとんでもないようなものを見つけたような、そんな視線だが。
「すいませんが、アクセルさん。本当に戸籍がないのかどうかを調べさせて貰ってもいいですか?」
「うん? どうしても試したいっていうのなら、それ
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