暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第8話 ナンパ
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
多少なりとも分かるだろう」
と言っていると、手元がフッと軽くなるのを感じた。
「!?」
サソリは手元の感覚に無意識に集中した。チャクラの色合いが弱くなっている。
「まだチャクラが……」
チャクラ糸が断ち切れて、ロボットは路地裏へと自由落下していった。

「いーじゃん。この辺、不慣れなんだろ?オレらがエスコートしてやるって」
とある路地裏では、ドレッドヘアーの男と髪を逆立てた男が一人の女生徒を軽い感じにナンパを試みていた。
女性はフワフワとした印象を受ける髪型をしており、活発というよりはおとなしく自分を出さない印象が強い。
この状況に怯えているらしくときおり「あ、あの」と声にならない微かな空気を吐き出すだけにとどまっている。
胸の前でカバンを抱きしめて相手との距離を少しでも取ろうとする心理的な抵抗をみせる。

ど……どうしましょう
初めて来た、繁華街でこんな……
男の人って怖い……

心の中では強い恐怖心を思い描けるのだが、それが表面には出てこない。
大人しい女性は恰好の餌食になりやすい。
肩を震わせるが、男性にとってみればそんな微かな反応では余計に加虐心を強めていく。
ニタニタと女性の手を握って強引に連れていこうとしたが……
上から謎の物体が落下してきてドレッドヘヤ―の男を中心に男たちの頭上へと激突して盛大に倒れていった。
ガシャァァァンと金属音と中で物体が転げまわる音がして煙を吐き出しながら、少し坂になっているところへ転がる。
女性は下を向いていたために、何が起きたのかを瞬時に把握できずに音が止むのをまってから静かに瞑っていた目を開く。
「!?」
何が起きたのか分からない女性は震えたまま、落ちてきた物体を見つめた。
よく見かけるロボット?

そのころ上では、サソリは頭上を見上げたまま
「やべえ、完全に落ちた」
下を見るのが怖いな。
結構派手な音がしたな。
ということは人が集まってくるか。
うまく行かんもんだな。
部品だけでもなんとか……

と勇気を出して下を向いてみる、全員倒れているのが視野に収まった。
「しかも人が居たっぽいな」
まてよ。倒れているから目撃者がいない。
さっさと降りて回収すればまだいける!
「そうと決まれば」
とサソリは呟くとジャンプをして建物の屋上から狭い路地裏へと飛び降りた。

奇跡的に直撃を避けた不良男が頭をさすりながら起き上がろうと試みていた。
「痛つつ」
何が起きた?
かわいい子を持ち帰ろうとしていたら、上から衝撃が……
と目の前に無残な警備ロボットが目に入る。
「何でコイツが……?」
と起き上がろうとしたところで再び背中に強烈な衝撃が加わり、せっかく持ち上げた頭をコンクリートに叩きつけられ気絶した。
「あ!運が悪いなお前」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ