第8話 ナンパ
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わり付かせて背負うようにすると、チャクラを手に集中して建物の壁へと吸着させた。
「ギリギリこれならいけるか」
と言うとサソリはふんばりながら白い壁をよじ登っていく。
「ふぅ、ふぅ……重いな」
中を開いて、必要な分だけでも取り出すことも考えたが
いや、なるべくなら全部見たい。
というよりここまで登ってきて引き返したくない。
建物の中間地点までくると呼吸を整えるように止まった。
全盛期の力ならこんなことに時間を掛けないのだがな。
こんな建物も簡単にスルスルと歩くように登っていくことができるのに。
するとスッと背中が軽くなる気配がした。
そうそうこんな感じに……「!!?」
サソリが慌てて背中にあるブツを確認するとチャクラ糸は切れてロボットは下へと落下していくのが見えた。
「しまっ!!?」
サソリは登っている建物の近くの窓を蹴破って侵入すると、両手の指を突き出して糸を下へと伸ばした。
間一髪、チャクラ糸は正確にロボットに纏わりつくと地面に着くギリギリの場所で少し伸びをして止まった。
「はぁはぁ。あぶねえ」
チャクラ糸とチャクラ吸着の併用はまだ避けた方が良いな。
サソリは慎重にロボットを下に降ろすと、まずは自分の身体だけで建物の上まで登り、登り切ったところでチャクラ糸を伸ばして警備ロボットを持ち上げていく。
これならそれぞれのチャクラに集中ができる。
病院までは残り1つの建物を越えれば見えてくるはずだ。
この試みはうまくいき、難なくロボットを引き上げることができた。
屋上に上ってしまえば。次の建物にはそんなに登る必要はない。
サソリはガシャンとロボットを置くと、今度はチャクラ糸をしっかり縫い付けて糸を伸ばしていく。
十分伸びたのを確認するとサソリは助走をつけ、次に控える建物へと飛び移った。
隣の建物は、今いる建物より若干高いため、指に力を込めてロッククライミングをするように身一つで上がっていく。
「よし、あとは」
サソリは建物の屋上に着地すると建物の縁に手をつきだす。伸ばしたチャクラ糸をゆっくりと強くして引っ張っていき、ロボットをこちらのビルにまで引っ張ろうとする。
向こうの建物の屋根に引っかかったように抵抗があるが、サソリは手を上に持っていくと外れてロボットは空中へと投げ出された。重力の影響をモロに受け始める。
下へと落下してくロボットに急いでチャクラ糸を収縮し、縁に足を掛けて踏ん張ると中腹あたりで振り子のように揺らぎながら止まった。
「はぁー、疲れるな」
ちょっと休憩とばかりに両腕を下に垂らしたまま、しばし空を見上げる。
「自立式の傀儡なら操る負担が軽くなるな」
侵入者に対して自動で追尾攻撃を仕掛けるといったことも可能だ。
なかなか面白そうだ。大蛇丸め、ここは褒めてやろう。
「まあ、中身を見れば
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