第8話 ナンパ
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これが本当にリスク無しで能力が上がるものであっても、何かの企てで広がっている大規模な実験であっても外部のサソリには関係がないように思える。
まあ、大蛇丸が仕掛けてきているものなら返り討ちにしてやるが。
関係ないが、身の安全のために情報だけは集めておくとしようか。
そういえば黒髪の佐天という娘は何かを持っていたな。
まさかな……
とサソリがぼんやりと考えていると、歩いている隣店先で学園都市が管理している警備ロボットが通過する。
警備ロボットは、たばこを吸っている金髪の不良男を見つけると向きを変えて
「ピピッ、禁煙エリアでの喫煙を確認。学園都市内は終日全面禁煙です。また、未成年の喫煙は禁じられています。年齢確認のため学生証を――」
と機械音でしつこく不良男を付けまわして、予めプログラミングされた文言を出力していた。
サソリはその警備ロボットを興味深そうに観察していく。
「おお!音声出力有の自立式傀儡か……」
警備ロボットの後をサソリは付けまわすように向きを変えて歩いていると無性に知的好奇心が刺激されていく。
どうやって動いているんだろうか?
音声は?
どこから駆動のチャクラを?
自由に動く傀儡人形は傀儡造形師にとっての理想に近い。
糸で操っていた両親もこのように自分で動いてくれれば、少しは変わったかもしれない。
人形の両親に包まれて安心していた子供時代
傀儡人形の両親から乾いた愛情を受け取っていたが、気を抜くと地に倒れてしまう人形に醒めた目で見ていた。
動きだけでも人形ではなく両親だったら……と何度も思った。
サソリは、ウィンウィンと車輪を動かして不良男を追いかけようとする警備ロボットの縁を掴むとその場から動かないように車輪を傾けて静止させる。駆動により微小の揺れがサソリの腕を通して伝わった。
「離してください。離してくだい」
「まあいいじゃねえか、オレと付き合えよ。ちょっと中身を見て分解してお前がどうやって動いているか知りたいだけだし、構造が分かったら元に戻してやるから(たぶん)」
ヴィンヴィンとコンクリートに空回りする車輪の音が聞こえ、少し白い煙が出現したところで地面から弱めの衝撃波と轟音が響いてきた。
「!?」
サソリは咄嗟に警備ロボットから手を離してしまい周囲を警戒するように見渡す。周りの人も突如として響いた異変に戸惑っているようだ。
サソリの手から離れ、縄を解かれたように警備ロボットは通常の業務に戻りつつ道路を走りだして、サソリから離れていく。
「あっ!?ちっ!逃げられたか」
気づいて手を伸ばすが、もう遅い。
舌打ちしながらも衝撃波を感じた場所を見つめる。
これは雷遁か。
ここで知っている奴で雷遁使いと云ったら……
あの御坂とかいう女しかいない。
「さっき戦闘体勢で行ったかな……
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