第61話 人間の集落
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の集落を作ったんだ?」
ゼロは態度は横柄だが、大抵は的確で的を射た正論を吐くため、トルナード達は狼狽える。
「そ、それは…」
「ゼロさん!ルインさん!!」
集落でゼロ達に駆け寄る人間の栗色の髪と翡翠の瞳の少女、確かアリア達の拠点にいた少女…。
「お前は…」
「あ、すみません。ゼロさんとは自己紹介がまだでしたね。私はアイリス。ネオ・アルカディアに所属していた…ああ、今はそんなの関係ないか。とにかくあなた方の味方です」
「アイ…リス…?」
一瞬ゼロの脳裏に目の前の少女に似た人物が脳裏を過ぎる。
ネオ・アルカディアに所属していたと聞いた集落の人間達は顔を顰めた。
「あんた、人間なんだろ?何でレプリロイドなんかと仲良く話してるんだよ?」
「何で私が会話をする相手のことをとやかく言われないといけないの?」
「分かってるのか?こいつらのせいでネオ・アルカディアが…」
「だから何?」
トルナードと会話する度に段々と彼女の表情から感情が無くなっていく。
「え?」
「私からすれば今のネオ・アルカディアもあの“エックス”が統治していたネオ・アルカディアも大して変わりがないわ。精々理不尽な理由で殺されるのがレプリロイドだけじゃなく、人間も入ったくらいね。別に大して昔と変わらないんじゃない?まあ、あなた達はそれに気付いてなかったみたいだけど」
絶句する集落の人間に対して、アイリスの目つきは鋭くなる。
「あなた達はレプリロイドが憎い憎いって言ってるけど…今まであなた達がネオ・アルカディアでのうのうと生きていられたのは誰のおかげ?食べる物にも仕事にも住む場所にも困らなかったのは誰のおかげ?全部全部、あなた達が嫌いなネオ・アルカディアにいたレプリロイドのおかげよ」
それだけ言うと、アイリスはゼロとルインに向き直る。
「お二人共、アリア博士達が待っています。急ぎましょう」
「は、はい…」
アイリスの悲しみに揺れる目を見たルインは、もしかしたら彼女には大切なレプリロイドがいたのではないかと思ったが、聞かないでおくことにした。
「お兄ちゃん…お姉ちゃん…ネージュお姉ちゃんを助けてあげて…」
「ああ…お前達にもう一度言わせてもらう。仲間を助けようともせずに、ただのうのうと集落の中で生きるだけなら、お前達もネオ・アルカディアに残った人間達と何も変わりはない」
それだけ言うと、ゼロ達は転送の光に包まれ、転送されるのだった。
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