第61話 人間の集落
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が、クラフトも簡単にはやられてはくれず、膝から爆弾を発射する。
「(まるでVAVAみたい)」
体に武器を内蔵した人型レプリロイドは少ないため、ルインはかつての強敵のVAVAを思い出す。
爆弾を回避して地面に着地すると、クラフトは高くジャンプしてランチャーをルインに向けていた。
「これで終わりだ!メガビームスウィーブ!!」
斜め下にレーザーポインターを出した後、レーザーを発射しながら孤を描くように突進。
着地直後だったために回避は出来ないとクラフトは勝利を確信したが…。
「甘いよ」
背後からPXアーマーを纏ったルインが十字手裏剣を構えていた。
「なっ!?」
「十字手裏剣!!」
クラフトに向けて勢いよく手裏剣を投擲した。
咄嗟に身を捻って手裏剣の直撃は避けたが、クラフトは脇腹に深い傷を負う。
「強いな…これが英雄のゼロと並び称された強さか…」
「あなたは何を迷っているの、クラフト…」
「…何だと?」
「あなたの攻撃には迷いが見える…本気で私を倒そうとしていない。集落を襲うのとは別の目的があるようだね」
戦いを通じて、クラフトの心に迷いがあるのを感じ取り、更に別の目的があるとまで悟ったルイン。
それは歴戦の戦士が成せる業か。
「そんな物はない…今も昔も…俺は人間のために戦ってきた!エリア・ゼロとこの集落は平和のための生け贄となってもらう。バイル様に逆らうことの愚かさを…人間達に知らしめるために!!」
「ふざけないで、そんな理由で…」
「…もう止めてっ!!」
「え?あなたは?」
二人の間に割り込んできた女性に一瞬、ルインは目を見開いたが、特徴がゼロから聞いたものと完全に一致するためにこの女性がネージュなのだろう。
「何が平和のため!?何が人間のため!?このボロボロになった集落や自然を見ても、まだそんな事が言えるの!?長い時間をかけてここまで回復した自然を…静かに暮らす人間達を…人間が生きられる世界を、踏みにじっているのはあなた達でしょう!!いくら正義を振りかざしても…やってる事は二人共、同じ戦争じゃない!!」
ネオ・アルカディアにいた頃のようにとまではいかないまでも、不便ではあるが、集落でささやかに暮らしていた人間達だが、バイル軍の襲撃によって、またしてもその平穏は踏みにじられた。
争いも何もない平穏な日常が明日も続いて欲しいのは誰もが抱く願い。
そんな願いは、バイル軍によって完全に打ち砕かれた。
一度は失った居場所を取り戻そうと、仲間達と必死に築いてきた集落を破壊されたネージュの怒りの深さは計り知れない。
「…ネージュ…やはりここに居たのか…」
「クラフト…どうしてバイルなんかに従ってる
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