機動戦艦ナデシコ
1252話
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たら渡して貰おう」
「残念ながら手持ちの武器はないな」
正確には空間倉庫の中には大量の武器が存在してるが、わざわざそれを言う必要もない。
それに、俺の場合は身体全身が武器のようなものだし。
「武器がない? ……悪いが、ボディチェックをさせて貰っても?」
当然男は俺を怪しんだのか、目を細めてそう告げてくる。
それに頷き、簡単なボディチェックを終えると、男は不思議そうな表情を浮かべて口を開く。
「ここがお前に取っても危険な場所だというのは分かっていた筈だ。なのに、何故武器を何も用意していない? このまま捕らえられるとは思わなかったのか?」
「俺を捕らえる? 誰が? 言っておくが、お前では何があっても俺を止める事はできない。それこそ、懐に後生大事にしまいこんでいる代物を使ってもな。それに……」
チラリ、と格納庫の中へと視線を向ける。
自分達の仕事をしているように見えるが、殆どの者が俺の方へと視線を向けていた。
自分で言うのもなんだけど、自分達も知らなかった機体に乗って、更にはバッタとジョロを俺だけで片付けたんだ。どうあっても注目してしまうのは間違いない。
「ああやって興味津々に俺を見ている奴の前で、俺にお前を殺させるような真似は……するなよ?」
一瞬の殺気。
それこそ、一定以上の力を持っている奴でなければ理解出来ない程度の殺気を放つ。
「ぐっ!」
案の定、この男はそれなりの腕は持っていたらしい。額に大量の汗を拭きだし、数歩後退る。
……まぁ、普通の人間ならこんなものか。
純粋に人間としての能力という面で見れば、ネギま世界は勿論の事、同じように地球外の存在に侵略されているマブラヴ世界の住人にも及ばない。
もっとも、マブラヴ世界の住人とこのナデシコ世界の住人では抱いている危機感が違う。
地球の半分以上を実際に占領されて、地球人口の何割かを殺したBETAと戦っているマブラヴ世界に比べれば、こっちはかなりお気楽と言ってもいい。
何しろ俺がこの世界にやって来た時、近くでバッタとの戦闘があったというのに民間人は全くそれを気にした様子もなかったのだから。
「お互いの力の差ってのが分かっただろ?」
笑みを浮かべて、男の方へと近づいていく。
だが、そのまま逃げるのかと思いきや、それでも踏み止まっている点は褒めてもいい。
そうだな。これから交渉を始めるんだし、シャドウミラーお得意の砲艦外交って訳じゃないけど、こっちの実力を見せておく必要はあるか。
俺の力がミロンガ改に乗っている時だけ……つまり操縦技術だけだと思われて、妙な真似をされるのも面白くない。
それなら、こっちの力を多少ではあるが見せつけて、迂闊な真似を出来ないようにしておくのが最善だろう。
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