機動戦艦ナデシコ
1252話
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ところ、俺はアンノウンのままなんだし。
「じゃ、案内を頼む」
『分かった、付いてきてくれ』
テンカワに案内され、展開していたエナジーウィングを停止し、そのままナデシコの胴体部分にある荷物搬入口から艦の中へと入っていく。
そうしてミロンガ改でも取りあえず天井に頭をぶつけなくてもいい高さを持つ格納庫に到着すると……
『何だ、何だ、何だ、何だこの機体はーっ! こんなの見た事ないぞ! 本当にこれはネルガルで開発されたって訳じゃねえんだろうな!』
何だか整備員らしき男が、ミロンガ改を見ながら騒いでいた。
あー、これはちょっと。ロイドと同じタイプの男だな、こりゃ。
他の整備員達も、揃ってミロンガ改の方へと視線を向けている。
まさしく注目の的としか言えない。
『じゃあ、俺はこれで』
「ああ」
テンカワと短く言葉を交わすと、そのままエステバリスは離れて行く。
それで、俺はミロンガ改をどこに置けばいいんだ?
そんな風に迷っていると、やがて格納庫の入り口から1人の男が姿を現す。
俺よりも大分年上――実年齢はともかく――に見える男で、厳つい顔付きをしており、体格もいい。身体の動かし方を見る限り、かなり鍛えられている。軍人の臭いもする。
『こっちに来てくれ。その機体を置く場所に案内する』
短く用件だけを告げて移動するその男の後を追うように、ミロンガ改を歩かせる。
今更だけど、ミロンガ改が歩くのって基本的に格納庫だけだよな。他は大抵飛んでるし。
そうして男が移動したのは、格納庫の端。
まぁ、真ん中とかは移動の邪魔になるし、エステバリスの場所は整備の邪魔になるし、何よりメンテナンスをする為の装置はエステバリス専用の物だ。
勿論多少の余裕はあるのかもしれないが、エステバリスの3倍近い大きさのミロンガ改はどうしようもないだろう。
……それに、格納庫の端という事でミロンガ改の姿を出来るだけ多くの者に見せたくないというのもあるんだろうし。
ともあれ壁際にミロンガ改を停めると、コックピットから地上へと降りる。
ここはホワイトスターであったり、シャドウミラーの存在が知られている世界であれば、混沌精霊としての力で空を飛んでもいいんだが……まさか、今の状況でそんな真似は出来ないだろう。
ただでさえ、俺はアンノウンって事で所属不明機という扱いなんだし。
そんな訳で、乗降ワイヤーを使ってコックピットから降りる。
「器用なものだな」
乗降ワイヤーの三角の部分に足を引っ掛けて降りてきた俺を見て、ここまで案内した男が感心したように呟く。
「そうか? 言われる程のものじゃないと思うけど」
「……ふむ、そうかもしれんな。さて、それではこれから会議室に案内するが、武器があっ
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