二十五話:観戦
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
しまいたいくらいの可愛さなのよッ!!」
そこまで言い切り、一旦息を整え次はフェイトの魅力について語り始めるプレシア。
「フェイトの方は少し大人しいけどそこがまた可愛くて! 最近は独り立ちしたように見えて、ホラー映画なんかを見てしまった後は上目遣いで『お母さん一緒に寝てくれない?』なんて言ってきてくれて……ああ、思い出しただけでご飯三杯はいけるわ!!」
娘の愛らしい姿を思い出したのか軽いトリップ状態に陥るプレシア。
だが、それを見ても相手は一切怯むことなどなかった。
「確かに可愛らしいです。しかし、はやてはそれ以上の可愛さを持っている!」
ここで負ければ死ぬという覚悟の籠った目で切嗣は睨み返す。
「わずか十歳にして大学卒業、そして八神堂の店主。これだけ聞けば近寄りがたい才女を意識する。だが、そんなもははやての本質じゃない! はやての本質は守ってあげたいという可愛らしさだ! 普段は大人びているがふとした瞬間に甘えてくる姿は女神だとしか思えない!!」
普段はダメ親父であったとしても父であることに変わりはない。
まだまだ甘えてきてくれるのだ。
「寂しくなったら布団に僕の布団に潜り込んで来たり、疲れたと言っておんぶをせがんで来たり……ああ、他にも言葉では言い表せない次元の可愛さだよ」
基本的に親馬鹿であるが故に両者共に譲らない。
しかし、このままでは埒が明かない。そう思い始めてきた時だった。
「プーレーシーアー…! 仕事を放置して何をやっているの?」
「リンディ!? ま、待ってまだどっちの子どもが可愛いかの決着が!」
「そんな下らないことで時間を取らないの。だって―――」
プレシアを連れ戻しに来たリンディによって勝負は終わった。
―――かのように見えたが。
「―――一番可愛いのはクロノよ」
『っ!?』
戦いはまだ始まったばかりであった。
〜おわり〜
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ