二十五話:観戦
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が切嗣は彼を無視して画面を見つめていた。
性格そのものはいつまでたっても変わらないものだと思い、自身も画面に目を戻そうとしたところで切嗣の表情が苦痛で歪むのを目撃した。
何事かと思い、画面に映っている人物を見てみるとそこにはスバルの姿が映っていた。
特にケガをしたわけでも何か目を見張ることをしたわけでもない。
要するに他に何か理由があるということだ。
「おや、彼女がどうかしたのかい? 彼女もまた私の作品の一つだが」
「……ただ、見覚えがあるだけだ」
切嗣は短く答えてすぐに無表情に戻る。
あれから年月が経ち、子供だったスバルも大人びた顔になった。
しかし、切嗣は覚えている。あの火災で救い出してしまった彼女の顔を。
ボロボロになりながらも懸命に生きていてくれたスバルを忘れるはずがない。
あの時は、あの時だけは自分は間違いなく救われたのだから。
今までの行いを否定するような行いの果てに救われてしまったのだから。
「ふふふ、そうかい。しかし、この案件は実に興味深いものがあるね」
二人の間に何かがあると確信するも、ここで出すのは面白みがないと判断するスカリエッティ。
そして新しいデバイスを駆使しながらガジェットを破壊していくスバルに目を向けてその出来栄えを確認するように目を光らせる。
初めは新デバイスである『マッハキャリバー』の出力の大きさにてこずっていたスバル。
しかし、直ぐに感覚を掴み同じく新デバイス『クロスミラージュ』を手に奮闘するティアナと共に走っていく。
「レアスキル、ウィングロード。どうやらしっかりと受け継がれているようだ。まるで魔導士クイントを見ているようだよ」
「それを殺したお前が言うのもおかしな話だがな」
「くくく! なに、あれは不幸な事故だよ。私とて無意味に命を取るつもりはないからね」
それは逆に言えば命を取ることに意味があれば彼は当たり前のように奪い取るということだ。
命という最高の素材をスカリエッティはこの上なく尊敬し、崇拝している。
機械であれば決まりきった答えしか返ってこないが、生命であれば無限の可能性を秘める。
それが何よりも彼を興奮させるために彼は冒涜のような崇拝を生命に行い続ける。
「ところで君はあの子の腕をどう見るかね? 君と同じく珍しい銃型のデバイス持ちだ」
「ティアナ・ランスターか。そんなことを聞いて何の意味になる」
「ただの雑談だよ。それにいずれは私たちの目の前に立ち塞がる敵。なら、ここで戦力分析をしても問題はないだろう?」
切嗣からすればスカリエッティの質問は無視しても何の問題もないものだ。
しかし、言っていることすべてが間違っているわけでもない。
まだ新人だとはいえ、敵である以
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