二十五話:観戦
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たのか」
「もう少し知能を高く設定できれば気取られることもなく回収できるのだがね。量産性を考えると今の性能が限界でね」
「使えないな」
「おや、それは手厳しい」
吐き捨てるように使えないと言われても特に気にした風でもなく笑うスカリエッティ。
彼にとってはガジェットは鉄屑と言っても差し支えないものであり、真に信用し、自信を持っているのは彼の娘達やレリックウェポンと呼ばれる人造魔導士である。
それ故の余裕であり、無関心でもある。
切嗣もそのことは知っているので軽く鼻を鳴らすだけでそれ以上は何も言わない。
「さて、少し賭けでもしないかい。彼らとあのガジェット、どちらが先にレリックを確保するかを」
「なにを賭けるつもりだ?」
「ふむ、そうだね……私が勝った場合は君に一つ頼まれごとを引き受けてもらいたい」
「なら、僕が勝った場合はピースメイカーの設定を解除しろ」
切嗣が簡単に賭けに乗ってきたことに若干驚きながらもスカリエッティは不気味に笑う。
その視線に苛立ちながらも切嗣は何とか喉まで出かかった暴言を飲み込む。
彼のデバイス『トンプソン』にかけられた音声でのロック解除機能。
何度も自らをピースメイカーと称するのはいい加減に辞めたいために気の乗らない賭けを呑んだのである。
「いいだろう。では、君から先に選ぶといい」
「ガジェットが先に確保する方に賭けよう」
「おや、随分と私のおもちゃを評価してくれているようだね」
心底嫌そうな声をしながらもガジェットが勝つ方に賭けた切嗣にニヤリと嗤い、追い打ちをかける様にスカリエッティが尋ねてくる。だが、これに関してはすでに予想済みであったために切嗣は反論する隙すら与えずに理由を述べていく。
「勘違いするな。既に内部に侵入している時間的優位性、さらにモノレールに乗り込んでくるのは空戦のできない新人達という経験の少なさ。これらから考えたまでだ」
「なるほど、なるほど、確かにその通りだ。では、私は彼らに賭けさせてもらうよ」
「あくまでも賭けはレリックの確保が早い方だ。逃走中にフェイト・ハラオウンに落とされたとしても関係はないな?」
逃げられないようにワザと賭けが成立したところで条件を付けくわえる切嗣。
実際問題として、どれだけガジェットが強くともなのはとフェイトを相手にして勝つことはできない。
この条件が無ければ本来は勝負にもならないのだ。
これを呑めないのなら適当に理由を述べて賭けをうやむやにさせるだけだ。
しかし、その程度はスカリエッティも理解していたのか笑いながら了承する。
「くふふふ。ああ、それで問題はないよ。あれらでは確かにプロジェクトFの残滓を止めるのは不可能だからね」
そう言ってスカリエッティは切嗣を見る
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