暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜調査編〜
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Grimlock》。横線は────なし。

「………生きてるね」

「うん」

「だな」

同時にほっと息をつく。

少し離れた《K》のブロックを眺めていたエギルも、すぐに戻ってくると真面目な顔で言った。

「カインズは確かに死んでるな。死亡日時は、サクラの月二十二日、十八時二十七分」

「……日付も時刻も間違いないわ。今日の夕方、わたしたちがレストランを出た直後よ」

アスナはそう呟くと、俯き、長い睫毛を下ろした。キリトとエギルも揃って短く黙祷する。

レンは、黙祷などどこ吹く風という感じで、軽く鼻歌を歌うぐらいの陽気さだったのだが、アスナにものすごい目で睨まれ、慌てて俯いた。

ちなみに殺されたカインズ──《Kains》という男の綴りについては、知り合ったカインズ氏の友人兼目撃者から入手したという。

全ての用事を終え、足早に黒鉄宮を出たところで、レン達は詰めていた息を同時に吐き出した。

いつの間にか、街区BGMは深夜帯用のゆったりとしたワルツに変わっている。

NPC商店も全て鎧戸を閉めてしまい、道を照らすのはまばらに立つ街灯のカンテラだけだ。

さすがにもう《軍》の巡回も見当たらない。

無言のまま転移広場まで戻ったところで、前を歩くアスナが振り向き、言った。

「………グリムロック氏を探すのは、明日にしましょう」

「そうだね………」

「ああ」

レンとキリトが頷くと、エギルが魁偉な眉丘を八の字に曲げた。

「あのな……オレはだな、いちおう本業は戦士じゃなく商人でだな………」

「解ってるよ。助手役は今日でクビにしてやろう」

キリトがポンと背中を叩くと、風かな安堵を見せつつ「済まねぇな」と唸る。

この人のいい巨漢は、本心から《商売優先》とか《調査面倒》とか思っているわけではない。

あの禍々しい短槍を作ったプレイヤーに直接相対するのが嫌なのだ。怖れているのではなく、その逆──普段はモンスターにのみ向けている怒りのエネルギーを爆発させてしまいかねないから。

頑張れよ、と言い残してエギルがまず転移門に消え、キリトもそろそろねぐらに戻るというので、ひとまず今日はここで解散ということになった。

「明日は、朝九時に五十七層転移門前で集合にしましょう。寝坊しないでちゃんと来るのよ」

教師か、いっそお姉さんめいたアスナの言葉に苦笑しつつ頷き、キリトが転移門に消えた。

アスナと二人取り残されたレンは、青く揺らめくゲートの前に立ち尽くしたまま、しばし漂う微妙な緊迫感を味わっていた。

時計の秒針がくるりと一回りくらいしてから、アスナが口を開いた。

「今日のことは……その………ありがと」

それだけを言って、立ち去ろうとするアス
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