34:笑わせないで
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だからボクは、そんなキミ達を、他でもないボクだけの為に倒す……! ボクが死神であり続ける為に……!!」
ユミルは大鎌を一息に地面から引き抜き、
「――さぁ、選んでキリトッ!!」
今度こそ俺に今にも飛び掛る剣幕で構えた。
「負けを認めて、仲間と共に第一層《はじまりの町》の黒鉄宮前まで出て行くか。それとも……」
それと同時に放った回廊結晶がユミルの背後の地面に突き刺さり、瞬く間に破砕して青く揺らめく大きな光の渦が出現した。
「このボク――《死神》に刈られるか!!」
回廊の後光を受けて、ある種の神々しさすら帯びたユミルは闘志の宿った目と共に叫び……直後、ビュオオッという彼を中心とした強烈な暴風が、俺を威嚇するかのように駆け抜けた。ユミルが再び《デモンヘイト》を一瞬だけ使ったのだ。エフェクトもまた心なしか赤みを増した気がした。
俺は剣の柄を握りなおし、切先を、ユミルへと向けた。
「…………ユミル、お前は間違ってる。俺達とお前が分かり合えないなんて……そんなのは、絶対に間違っている! お前が俺達に分かられたくないというのなら……分かり合える様に、お前の事を力ずくでも俺達に話してもらうまでだ……!」
ユミルは俺の返答を聞き、ギリ、と音を鳴らした。それはあいつも柄を握りなおした音だったのか、歯を食いしばった音だったのかは、分からなかった。
「…………それが、キミの答えなんだね……?」
それから彼はゆっくりと手の甲で涙を拭い……それが終わった時には、
「―――――。」
今までの叫びが嘘だったかのような、氷の無表情に戻っていた。
「…………そっか。残念――」
そしてその言葉と同時に、ユミルは俺へと飛びかかり……
「――だよッ!!」
「うおおおおおっ!!」
振り下ろされたユミルの大鎌と俺の剣が激突し……
とうとうユミル――《死神》との死闘へと突入した。
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