Vivid編
第六話〜停滞と胎動〜
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なんて……おもい……」
掠れるような声の独り言を聞く人間はそこにはいなかった。
書庫・未整理区画
作業していた場所に戻ると、残してきていていた蒼月とパラディンが作業の続きをオートで行っていた。
(随分と人のらしくなったな)
特に指示も出さずにそれを行っていたことにライはそう思った。
事実、JS事件後にCの世界に接触してから、蒼月とパラディンのAIは比較的に大きな成長を見せた。発言や思考がより感情的な部分があったり、喜怒哀楽を表すような発声を行ったりと、一般的なインテリジェントデバイスよりも遥かに人間的となっている。
それはさて置き、ライは出て行く前と同じように自身の周りにディスプレイを投影させると、再びキーボードに指を走らせる作業に戻る。
そしてそれと並行するように、ライは“無限書庫のデータベースと繋がっている管理局のデータベース”よりあるデータを検索する。
作業ペースを落とさない程度にそれを行いながら、ライはかなり短時間でお目当てのデータを見つける。
それはある人物たちのプライベート用のメールアドレスであった。
(さて、ここからが正念場かな)
アクセスの痕跡を消しながら、ライは内心でそう呟いた。
ライはキーを叩く。それはライが踏み出すための言葉を綴る文となり、電子の海を流れる手紙となって、送り先の人の元に流れていった。
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