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アインクラッド篇
断章 南十字の追憶
日常に潜む“渇き”
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二十四層主街区パナレーゼ
ここ最近はこの街に宿を取っていた。
「げ、ポーションが切れてら。姉貴………に頼んでも無理だろうしなぁ。」
姉貴は自己管理という言葉を、母親の腹の中に置いて産まれてきたので、パーティーの共有財産やポーション等の消耗品の管理は俺がしている。
「仕方ねぇ、アマナー?」
「何でしょう、お兄様?」
「ちょっくらポーションの買い出し手伝ってくれ。」
「お安い御用です。久しぶりにお兄様とデートですね?」
「デートってお前………」
アマナは姉貴がアレなので、世話何かは基本俺がした。このお嬢様口調だけは両親の教育の成果だが。ともかくそんな訳でアマナは俺にかなりなついている。勿論互いに現実を見ているため一線を越えてくることはないが。
「まぁいいや、支度してくれ。」
「分かりました。お姉様は……?」
「連れてっても面倒起こすだけだろ。」
「……ですね。」
かねてから見つけておいた安売りの店に入り、各種ポーションを揃えていく。
「おし、これでいいかな?」
一通り買い終えたところで、アマナがいないことに気が付いた。
「あり?どこ行った?」
店内を探すと直ぐに見つかった。窓から空を見上げて、何やら溜息をついてるようだ。
「おーい、アマナ?なにしてんだ?」
「わっ!?て、お兄様ですか。終わったんですか?」
「おお、にしてもどうした?溜息なんかついて。」
「いえ……まぁ、ちょっと……。」
「ストレスでも貯まってんのか?モンスター相手に憂さ晴らしなら付き合うぞ?」
「いえいえ、嬉しいですけど遠慮します。」
「そっか。じゃ、帰ろうぜ」
振り向き、帰路につこうとした瞬間。突然、背後に悪寒を感じた。振り向いてもいるのはアマナのみ。
「……気のせいか。」
「?、お兄様、どうかしたんですか?」
「ん?いや、何でもないよ。」
心配そうに聞いて来るアマナに答えつつ、店を後にした。
sightアマナ
憂鬱だ…………。ひどく辛い。大好きなお兄様といても渇くようになってきた。
渇く?何に? 分からない。
ただ1つはっきりしているのは、今のままでは満たされない渇きだということか。何か、大事な物が満たされないこの感覚。
「………ハァ。」
「おーい、アマナ?なにしてんだ?」
「わっ!?」
ビックリした。お兄様だ。いつの間にかはぐれていたようだ。
「って、お兄様ですか。終わったんですか?」
「おお、にしてもどうした?溜息なんかついて。」
「いえ……まぁ、ちょっと……。」
何故だろう。その渇き
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