第15話「そろそろ」
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そんなこんなで体育祭(校内)が始まった。
「体育祭と言えば徒競走だよ!」
「さっぱりわかりません。」
まず最初の種目は徒競走。廊下の端から端までが範囲だ。
参加者は俺と胡桃と美紀。...さすがに体力差があるからハンデ付きだ。
「一勝負どうだい?」
「お?陸上部相手でも負けんぞ?」
「...あの、そのシャベルと武装は?」
俺はアサルトライフルと弾倉をいくつか。胡桃はシャベルを背負っている。
「もちろん。」
「ハンデ。」
「....なるほど。」
元々いつもこれぐらいで走ってるからな。むしろないと身軽すぎて走りづらい。
「めぐねえの所までだよ。位置に着いて、よーい....ドン!」
「「「っ...!」」」
由紀の合図に一斉に走り出す。
「一位工藤君、二位恵飛須沢さん、三位直樹さんです!」
先生の所まで走り抜け、結果が発表される。
「は、はえぇ....!」
「ハンデ付きでも負けるとは...。」
....正直言うと、ワクチンで感染を防いでから、身体能力がいくらか上がってるんだよな...。...これってドーピング?
この後も玉入れや綱引きなどをしていった。
...種目をやる度に由紀の先輩としての威厳(元からない)が崩れて行ったけどな。
意外なのは悠里が綱引きに異様に強かった事か...。胡桃にも勝ってたし。
「楽しかったか?」
「...ええ、まぁ...。」
全ての種目を終わり、玉入れの片づけの途中、俺は美紀にそう聞いた。
「少しは慣れただろ?」
「まぁ、少しは...。」
まだ慣れていない所もあるんだろう。歯切れの悪い返事だ。
「...“こんな事をやってていいのか”って所か?」
「っ....。」
「...まぁ、そう思うだろうけど、心を休めるにはちょうど良かっただろう?」
これは余計な事をしているというより、由紀の言った通り“悩み”をすっきりさせるためにやっている事だ。
「そう...なんですけど....。」
「俺も、胡桃や悠里でさえ、最初は馴染めなかったさ。少しずつ慣れればいい。ここで過ごしていく内に、何をすべきかも見つけられるかもしれないしな。」
不安なのも分かる。
このままでは、いつか食料がなくなるし、世界がどうなっているのかも分からん。
だから美紀はこんな事をしてていいのかと思ったのだろう。
「.....友達の事か?」
「っ.....。」
...図星、か。...これは少し席を外した方がいいな。
「...とりあえず、片づけが終わったら屋上辺
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