第15話「そろそろ」
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」
「飽きた!」
「おい。」
由紀にとっちゃあまり馴染みない事だけど、読書は重要だぞ。読書は。
「...で、なんで体育祭?」
「みんなで体動かすと楽しくなるよ!つらい悩みもすっきり!」
「...お前、悩みないじゃん。」
胡桃の言う事は尤もだ。悩みなさそうにしか見えん。
「それが...遠足から帰ってごはんがおいしくって...。」
「ダイエットじゃねぇか!?」
あー、男の俺はあまり会話に入るべきではない話題だな。これ。
「....あの...。」
「ん?なんだ美紀。」
こっそりと美紀が俺に話しかけてくる。
「体育祭って...そんな事する余裕があるんですか?」
「あー、一応部活として活動もするからな。」
「部活....ですか?」
あ、美紀はまだ知らなかったな。一応入部してないし。
「学園生活部として、いくつか心得があるんだ。それの第五条に“部員は折々の学園の行事を大切にすべし”ってのがある。だからこれも部活の内に入る。」
「は、はぁ...?」
俺もノリに乗れないんだがな。一応、合わせてはいる。
「由紀の言う通り、一度この状況での悩みを忘れて楽しめば、少しは楽になるだろうって俺は思っている。...由紀はいつもいいタイミングで何か提案してくれるからな。」
「そうなんですか...。」
...と、そうこうしている内に体育祭の準備をする事になったようだ。
「....これでよし、と。」
テニスボールに赤色と白色のガムテープをそれぞれに巻きつける。
学校内でできる競技は徒競走と二人三脚、玉入れ、後は綱引きぐらいだ。
悠里と先生がポスターとかを用意して、俺たちは競技の準備をするという役割に分けている。
「他に張ってない奴は....。」
「わふっ!」
「お、サンキュ太郎丸。」
今まで太郎丸は放送室で飼っていたが、それではストレスも溜まるとの事なので、今日から俺たちと一緒に活動する事が多くなった。
....美紀は相変わらず嫌われているようだが...。美紀もそれについては落ち込んでたし。
「これで全部だな。」
「...もっと他にやるべき事があると思うんですが...。」
「ははは、そう言うなって。」
美紀はまだここでの雰囲気に慣れていないからそう思うのも仕方ない。
「何言ってるのみーくん!やるべき事よりやりたい事だよ!」
「それ、思い切りダメ人間のセリフですよね。」
「それなんてニーt...いや、なんでもない。」
親父だってやるべき事よりもやりたい事だし。
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