第15話「そろそろ」
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にそれが足枷...由紀先輩がああなった原因かもしれないと...。」
「先生もそう思って、少し後悔していたよ...。」
自分が由紀をああいう状態にしてしまったのではないか...ってな。
だから先生はいつも由紀に付き合ってあげている。
「...まぁ、それでも助け合っている関係には変わりない。由紀のあの状態が素であろうと演技であろうと、今は重要視する必要はない。」
「で、でも...それだといざというとき...。」
「なに、あれが演技であるなら、頃合いを見て元に戻るくらいの技量は持ち合わせてるだろう。」
俺も気づけない程のあれが演技だったらそれはそれで驚きだけどな...。
「....それに。」
「それに?」
「.....矢面に立つのは、俺の役目だ。」
囮になるのも、殿を務めるのも、“殺す”事を最も担うのも、俺の役目だ。
「っ.....。」
「銃を武装して、戦えるのは俺だけだ。胡桃もシャベルで戦えるが、あれは保険でしかない。...実際にまともに戦えるのは、俺だけなんだ。」
「遼先輩....。」
正直、もっと武闘派の奴らは生き残っていると思っていた。柔道部とか、剣道部の奴らは、戦えたはずだったし。
....でも、生き残っていたのは、女性だけ。運動部なのは一人だけだった。
ずっと日本で平和に暮らしていた皆に“殺し”の経験を積んでほしくない。だから、少しでも耐性のある俺が戦わなくてはいけないんだ...。
....俺だって、人殺しはした事がないがな...。
「...わりぃ、変な事言っちまったな。」
「い、いえ....。」
「話はこれで終わりか?」
「はい。...戻りましょう。」
校長室を出て、生徒会室に再び入る。
「お、戻って来たか。」
「まぁ、大した事ではないからな。」
この後は特に何かある訳でもなく、一日が過ぎて行った。
翌朝、曜日で言えば土曜日であるため、由紀も授業に行くこともなく、朝食後は皆で暇していた。
「こっちが食料の欄でこっちが小物。太陽電池はこれね。」
「はい。」
美紀は自分のやる事を見つける過程で、悠里が付けている家計簿の見直しを手伝っていた。
「数え直した方がよさそうですね。」
「そうね。後で倉庫に案内するわ。」
「今でもいいですよ。」
「そう?それじゃあ―――」
悠里が倉庫に案内しようとした瞬間、由紀が立ちあがり、
「体育祭やろうよ!体育祭!」
「....はい?」
そう言い切った。...思わず間の抜けた声が出ちまったよ。
「なんでいきなり体育祭?今読んでた本は?
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