暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
109話:『星々(れきし)』(前編)
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『「俺は俺にしかなれない。でも、これが俺なんだ」と』
俺は唯一無二の存在だ、お前が俺と同じ強さを持っている筈がない。
だがそれで普通なことなんだ。お前は俺にはなれないし、俺もお前にはなれない。
ならばお前は、お前にできないことをやればいい。そうすればきっと…
『まぁそれでも、俺を超えることはできないだろうがな』
「…そうでしょうね、何せあなたは最強≠フ人なんですから」
当然だ、と鼻を鳴らした。男は歩いて前へと移動し、再び天を指差し言った。
『俺は天の道を行き、総てを司る男=\――なのだからな』
俺の進化は光よりも速い、お前はついて来れるか?
「―――勿論、必死にすがりつきますよ」
その言葉に、男は再び笑うと「面白い男だ」と言って、光へと変わる。
光は宝石へと吸い込まれ、新しい炎≠ェバックルに灯る。
空には新たな星が、周りに七つの星を携え光り輝く。その輝きは、周りの小さな星々が霞む程の正義≠フ輝き。
星を眺めてから振り向く。そして一歩踏み出すと……
―――そこはまさに、高速の次元(ヴィジョン)。
「―――グォ!?」
一撃、腹部に衝撃が走る。
今何が起きた、と男は視線を上げる。
そこには振るった剣を右手で受け止め、左手を掌底の構えで突き出した男の姿が。
いや、ただの男ではない。頭部には赤い角、青い複眼に胸部のプロテクターは銀から赤へ。
高速の次元を行き来し、我が道を行きながらも、大切なものの為にその正義を振るった男の姿……
―――マスクドライダー・カブト。
時がゆっくりと進む次元を、カブトとなった男は一歩ずつ歩み出した。
「この…ッ!」
後退した男は迫ってくる男に対し、剣を振るった。
だが剣を一振りする度一撃、腹部や顔へ拳が決まっていく。
結局男の攻撃は一撃も当たらずに、逆に反撃はすべて決まる形に。
右拳の一撃を最後に、男は高速の次元から弾き出された。対して、やはり悠然と歩く男も同じ次元へと帰還する。
「ば、バカな…何故…! 見放されたんじゃないのか、何故力≠ェ使える!?」
「………」
悲痛な叫びを受け、男はしばらく黙っていた。が歩みを止めると、静かに語りだした。見放したんじゃなかった、のだと。
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