暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
109話:『星々(れきし)』(前編)
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話

『「俺は俺にしかなれない。でも、これが俺なんだ」と』


 俺は唯一無二の存在だ、お前が俺と同じ強さを持っている筈がない。
 だがそれで普通なことなんだ。お前は俺にはなれないし、俺もお前にはなれない。

 ならばお前は、お前にできないことをやればいい。そうすればきっと…


『まぁそれでも、俺を超えることはできないだろうがな』
「…そうでしょうね、何せあなたは最強≠フ人なんですから」


 当然だ、と鼻を鳴らした。男は歩いて前へと移動し、再び天を指差し言った。


『俺は天の道を行き、総てを司る男=\――なのだからな』


 俺の進化は光よりも速い、お前はついて来れるか?


「―――勿論、必死にすがりつきますよ」


 その言葉に、男は再び笑うと「面白い男だ」と言って、光へと変わる。
 光は宝石へと吸い込まれ、新しい炎≠ェバックルに灯る。

 空には新たな星が、周りに七つの星を携え光り輝く。その輝きは、周りの小さな星々が霞む程の正義≠フ輝き。


 星を眺めてから振り向く。そして一歩踏み出すと……
 ―――そこはまさに、高速の次元(ヴィジョン)。















「―――グォ!?」


 一撃、腹部に衝撃が走る。
 今何が起きた、と男は視線を上げる。

 そこには振るった剣を右手で受け止め、左手を掌底の構えで突き出した男の姿が。
 いや、ただの男ではない。頭部には赤い角、青い複眼に胸部のプロテクターは銀から赤へ。

 高速の次元を行き来し、我が道を行きながらも、大切なものの為にその正義を振るった男の姿……


 ―――マスクドライダー・カブト。


 時がゆっくりと進む次元を、カブトとなった男は一歩ずつ歩み出した。


「この…ッ!」


 後退した男は迫ってくる男に対し、剣を振るった。
 だが剣を一振りする度一撃、腹部や顔へ拳が決まっていく。

 結局男の攻撃は一撃も当たらずに、逆に反撃はすべて決まる形に。
 右拳の一撃を最後に、男は高速の次元から弾き出された。対して、やはり悠然と歩く男も同じ次元へと帰還する。


「ば、バカな…何故…! 見放されたんじゃないのか、何故力≠ェ使える!?」
「………」


 悲痛な叫びを受け、男はしばらく黙っていた。が歩みを止めると、静かに語りだした。見放したんじゃなかった、のだと。





 
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ