機動戦艦ナデシコ
1251話
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通信を辿れば、丁度こっちに戦艦の主砲を向けている艦からのものらしい。
オープンチャンネルの通信を開けたのを見計らって通信してきたんだろうが……正直、本気なのかと言いたい。
木星蜥蜴を相手に何も出来ず一方的にやられていた軍の……地球連合空軍だったか? そこに所属する戦艦の艦長が、木星蜥蜴をミロンガ改だけで全滅させた俺に対して投降を求める?
普通に考えれば、自殺行為をしているようにしか見えない。
さて、どうしたものか。
こっちとしては、重力系の技術を少しでも得る為にナデシコと近づきたい。
それを考えれば、ここで投降するというのは論外だろう。
かといって、ナデシコがここにいる以上は連合軍と何の関係もないということはない筈だ。
つまり、ここで連合軍を相手に戦えば自然とナデシコとも敵対する可能性が高く、連合軍に投降すればナデシコと行動は共に出来ない。
となると、ASRSを使って一旦ここから退避し、後で改めてナデシコと合流するか?
そうだな、それが最善の行動だろう。
そう判断し、ASRSを展開しようとした、その瞬間……
『いやいやいやいや、大変申し訳ございません。どうやら情報ミスがあったようですが、あの機体は私共ネルガルが極秘裏に開発していた代物なのですよ』
唐突にそんな声がオープンチャンネルに響き渡る。
映像モニタに映し出されているのは、チョビ髭と眼鏡が印象的な男。年齢は40代ってところか? 一言で言えば、怪しい男。
『何? ネルガルだと? そのような情報は全くこちらに入って来ていないが?』
『ええ、ええ。ですから恐らく情報の齟齬があったのではないかと。……どうでしょう? この件に関しては後日きちんと説明の場を持たせて貰いますので』
『ぬっ、だが……ネルガルが開発していたのはエステバリスではないのか? あのような巨大な兵器が開発されていたとは聞いていないぞ?』
『ですから、その辺が情報の齟齬があったのだと……それに、そちらの方でも木星蜥蜴に破壊された基地の修復を急がなければならないのでは? ここで私達と揉めていれば、その間に人の命が失われてしまうかもしれません。どうぞ、その辺をよくお考えになって下さい』
『……本当に、後日この件に関しての説明を貰えるのだな?』
『ええ、それはもう間違いなく』
『……了解した』
その言葉と共に、連合軍の方の通信が切れる。
通信が切れると、プロスペクターとか名乗った人物は当然のように俺の方へと視線を向けてくる。
『では、アクセルさ……』
『ちょっと! あんな機体を開発していたなんて話、私は聞いてないわよ!』
プロスペクターが何かを言おうとすると、その背後から聞こえてくる声。
言葉使いだけを聞けば女のそれだが、聞こえてくる声
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