第2話『学校案内』
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「山本さん。どうしてこの扉は外からしか開かないんですか?」
「昔の人が設計したものだから、その意図はわからないな。でも心配することじゃない。開けっぱにしとけばいいんだ」
さすがに山本も扉の構造は知らないようだ。というか昔の人…ってことは、この学校の創立はかなり昔と考えられる。
てか開けっぱって風とかで閉まりそうな気がするな…。まぁ、鉄製だから平気か。
「それじゃあ行くよ」
山本の声と共に、俺たちは中に足を踏み入れた。
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「はぁー、ホントについてないよ…」
私、戸部 優菜は今、ため息をつきながら家へと帰っている。
どうしてそんなことになったかというと、答えは一つ。学校に早く来すぎてしまったからだ。今日は入学式なので、それに合った集合時間があったようだが、知らずに家を出てきてしまった。おかげで学校に残る訳にもいかず、渋々帰路についたのだ。
しかも、帰る途中に人にぶつかりそうになるし、もう今日は厄日か何かかな…。
とりあえず30分後位にもう一回家を出て、学校に行こう。
あ、もしかしたらさっきの人たちも勘違いで日城中学校に行ってる途中だったのかな? たぶん方角的にそうだろう。それならご愁傷様です。
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「不思議な構造ですね」
俺がドームに入っての第一声はそれだった。なぜなら扉を開けた瞬間、目の前に地下に続くと思われる階段が続いていたからだ。イメージはエスカレーターといったところだろうか。
それにしても今その階段を降りているが、とてもじゃないが終わりが見えない。どこまで続いているのだろうか?
「山本さん、この先に何かあるんですか?」
「もちろん」
俺の問いには当たり前だと言わんばかりに答える山本。だがその態度に、俺は不安を感じてきた。
「すっげぇ〜!」
「雰囲気あるね〜」
そんな俺の気を知るはずも無い餓鬼2人が、見慣れない光景にはしゃいでいる。この不穏な胸騒ぎが無ければ、俺もあんな風に楽しめるのに…。
「ま、まだですか…?」
「もう少し」
俺は怯えた声でそう訊いた。が、返ってくる答えは先程と似て変わらない。
次第に太陽の光が入らなくなり、何も見えないほど暗くなってきた。
「おお、暗い!」
だが、俺の気持ちとは正反対に大地は喜んでいた。全く、なんて気楽な奴だ。
そう思った直後、足が平面の地面を捉えた。
「待たせたね。
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