第2話『学校案内』
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なとこはありますか?」
俺は思ったことを言ってみたのだが、その直後、しまった!と思った。
後ろから視線を感じ、恐る恐る振り向くと・・・大地と莉奈にすごく睨まれていた。その眼は「散々人を子供扱いしといて何言ってんだ」と言わんばかりだ。
はい、俺も子供でした…。
「ふむ。よし、じゃあこっちに来てくれたまえ」
「?」
山本は俺たちをよく見て、少し考える仕草をしたかと思うと、俺たちをどこかへと率い始めた。
俺たちはただ山本に連れられ、校舎の裏の方角へ向かう。もしかして、本当に秘密基地があるのだろうか?
山本について歩いていくと、小さな森に入った。
木々は手入れをされていないのか、青々と生い茂っており、木陰を作って太陽光を遮っていた。お陰で春だというのに、暗くて肌寒い。
「ここなんかどうだい?」
「え?」
「これは…」
「なんか凄い…」
そんな感想を持っていた俺らの目の前に、かまくらのような土の塊が映った。大きさもちょうどかまくら位だ。恐らくこれが山本の紹介したい物なんだろうと、一目で察しがついた。
そしてそれを見た俺たちは、驚きの混じった声で口々に言った。
「中に入るかい?」
「入れるんですか!?」
「こっちにおいで」
案内された先には錆びた鉄の扉が、土の塊にポツリと張り付いていた。
中に入るかと誘われた俺たちは、話し合い、興味本意で行ってみることにした。さすがに危ない場所では無いだろう。
「あ、でも、この扉は閉めると中からは開かないんだったか?」
「やっぱやめときます!」
山本が今思い出したかのようにあっさりと言った。
つか、無茶苦茶危険じゃねぇか!
俗に言う『開かずの扉』か?
これは諦めて、入るのは止めた方がいいと思う。
「え? いいじゃん、晴登。入ろうぜ!」
「嫌だよ! 閉まったらどうすんだ?!」
大地が何を聞いていたのか、そう言った。勿論、俺はそれを否定する。
扉が閉まったら中から出られないんだよ?
偶然にも閉まったら、俺らは一生この中で暮らすんだぞ?
マジ勘弁だよ…。
「結局どうするんだい?」
「入る!」
「入らない!」
山本の問いに対し、大地がYES、俺がNOで答える。だがそのまま一向に、決まる気配は無い。
そこで俺たちは莉奈にも決めてもらい、多数決で決めることにした。
「「莉奈! どうしたい?!!」」
「入りたい!」
莉奈はあっさりと答えた。
こいつを信じた俺が馬鹿だった…。
結局俺たちはこのドームに入ることになった。
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