第2話『学校案内』
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俺たちはこの学校の先生と名乗る山本に、学校の案内をしてもらうことになった。今はまだ校門から入ってすぐそこにいる。
「うわぁー、楽しみだー!」
大地が子供みたいにはしゃいで言う。実際子供だけど。
「ねぇねぇ晴登、グラウンドめっちゃ広いよ!」
ここにもはしゃいでいる奴がいた。
この二人はもう少し中学生という自覚を持たないと。心が小学生のまま変わっちゃいない。
「君たちはまだまだ子供だね」
山本も微笑みながら、俺の考えと同じようなことを言った。
ったく、コイツらには進歩が必要なんだよ。
「いーじゃないですか。ちょっとくらいはしゃいじゃっても」
「お前、一応案内されてる身だからな」
頭は良いのに脳みそがてんで餓鬼なんだよな、大地は。そして莉奈はわがままお嬢様、ってとこか。
何でまともなのが俺だけなんだよ。
「ねぇ……えっと君たちの名前は? まだ聞いていなかったね」
山本が、名前を呼ぼうとしたが名前がわからない、といった様な感じでそう言ってきた。初対面あるあるかな。
ということで、俺、大地、莉奈の順で自己紹介をした。
「うん覚えた。宜しくね、晴登君、大地君、莉奈ちゃん」
山本が名前を確認するように復唱した。
そういえば、初対面の人の名前って一回じゃ覚えられない時ってあるよね。この人はちゃんと覚えるタイプみたいだが、俺はあんまり覚えられないな…。
「さて、どこから見る?」
「グラウンド!」
話が変わり、山本が発した問いに大地が即答する。
「そこに見えるまんまだけど…」
その答えにはさすがに山本も困っていた。何せ今右側を見るとグラウンドが広がっている。
実物が既に見えてるので、山本の中で説明することが少なくなったのだろう。
「まぁいいか、簡単な説明をしよう。このグラウンドは学校の手前に位置しているんだ。広さは…通常の中学校のグラウンドの4倍はあるかな」
「そんなに!?」
グラウンドの広さを聞いた俺は、声を出して驚いた。普通の中学校の4倍って…。敷地の広さはどうなってんだよ、この学校。
改めて見回せば、確かに小学校のグラウンドとは比べ物にならない。
「…とまぁ、広さ位しか説明できないけど?」
「いや、十分です!」
山本が困ったように言ったが、大地はそれでも喜んだようだ。
こいつは多分、ただただグラウンドの広さに驚いただけだろうな…。
「晴登君は行きたい所はないかな?」
場面がグラウンドの近くから校門の近くへと戻ってきた頃、山本が俺に対して訊いてきた。
「俺は特に・・・あ、秘密基地的
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