第十五話 陰謀の都市
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きたり』の為、二人は結婚式まで会う事ができなくなってしまった。
元々、これまでの遅れを取り戻す為に、厳しい勉強の真っ最中で、中々会う機会が無かった事も重なり、二人が会う機会は更に減った。
その為、カトレアとは手紙のやり取りしかしていない。
(同年代の女の子より、スタイル良かったからなぁ……今頃、どういう風に育ってるんだろう)
……12歳という年代は成長が著しい。
マクシミリアンはビキニ姿のカトレアがキャッキャウフフと浜辺を走る姿を妄想する。
胸がバインバインと跳ねるスタイル抜群のカトレアがこれ以上無い笑顔を向けた。
「う〜ん、カトレアぁ〜、むちゅちゅ〜♪」
妄想上のカトレアと、イチャイチャしながら座席の上を転がろうとして、勢い余って落ちてしまった。
この光景をセバスチャンは馬車の御者台から見ていたが、黙っている事にした。
見て見ぬ振りをするのも忠義だろう。
☆ ☆ ☆
その後、アントワッペン市に到着したマクシミリアンは、領主のド・フランドール伯の屋敷で催される歓迎パーティーに招待された。
領主のド・フランドール伯はトリステイン建国以来の名家で、西部では屈指の実力を誇っていた。
ド・フランドール伯ボードゥアンは、見た目二十台半ばの好青年で、数年前に先代の父親が亡くなり、その跡を継いでいた。
「ド・フランドール伯、この様なパーティーを開いて頂きまして、ありがとうございます」
マクシミリアンは、にこやかに挨拶する。
「トリステイン経済を回復させた次代の名君と誉れ高いマクシミリアン殿下に、お越しいただくとは、今日という日を決して忘れる事は無いでしょう」
「いえいえ、伯爵もアントワッペンをここまで発展させた手腕を、僕も参考にしたいと思ってた所です」
などなど、二人の会話は弾んだ。
「それと……失礼かを思われますが、なぜ、殿下は我が領内へお越しになろうと?
「……そうですね、伯爵の領内に立ち寄ったのは、訳がありまして……」
と、マクシミリアンは旅の目的の一つのブリージュに立ち入る許可を得ようと、ド・フランドール伯に訳を話した。
もちろん、大隆起の事は、ちゃんと誤魔化した。
「ブリージュ一帯の捜索の件は分かりました。それでしたら、我々も同行いたしましょうか?」
「いや、それには及ばないよ、行くときはちゃんとした準備をするからね。ともかく伯爵、心配してくれてありがとう」
「御意」
そうして、ド・フランドール伯は頭を下げたが、まだ何か聞きたそうにしている。
「あの……殿
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