第十四話 新宮殿の主
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アンリエッタ〜」
「なーにー? おにーさま?」
「アンリエッタも、もう5歳だし魔法を習おうとか、そういう話は無いのか〜?」
「ん〜、分かんない〜」
「そ〜か〜」
と、同じ色の髪をクシャクシャと撫でる。
和気あいあいと、湯に浸かりながらアンリエッタとたわいも無い話をした。
その後、アンリエッタは風呂に飽きたのか、早々に上がってしまい、マクシミリアン一人が大浴場に残されてしまった。
「……もう少し、年をとれば色気づいたりするのかな?」
と、独り言を言いながら、マクシミリアンは風呂に浸かる。
(ともあれ、工業化の件は家臣団に任せるとして、肝心の大隆起の事だが……)
工業化やその他のインフラ整備などは家臣団に任せるとして、マクシミリアンは大隆起について手を打っておこうと思っていた。
2年前、ワルド子爵家で告げられた、ハルケギニアの大隆起に関しては、ほんの一部の人しか知らない。
父王にも伝えるべきかマクシミリアンは未だに悩んでいた。
(下手に、大隆起の事を伝えて、狂ったと誤解されれば、最悪、地下の座敷牢なんかに入れられるかも……)
そうなってしまえば、これまでの努力が水の泡になるかもしれない。
マクシミリアンは大隆起に関しては、ワルド夫人を連絡を取りつつ、独力で動く事にした。
(大隆起の研究はワルド夫人の任せるとして、オレはオレで試してみたい事がある)
マクシミリアンが試してみたい事。
それは、大隆起が止められなかった事に対しての、最悪の状況が起こった場合の対策だった。
マクシミリアンは脳内でシミュレートする。
(ハルケギニア全体がアルビオン大陸のように空に浮かんでしまうとなれば、それぞれの国が生存する為に土地を求めて戦争になってしまう事は、簡単に想像がつく)
そして、小国であるトリステイン王国は、ガリア、ゲルマニアといった大国にとっては手ごろな土地……と、見られて侵攻を受ける可能性が高い。
(誰も死にたくないからな、ガリア・ゲルマニアの軍隊だけじゃない、それぞれの国民すらも武器を手にとって、戦争に参加するかもしれない。そうなれば国力の差、総人口の差は絶望的だ)
トリステイン国民は皆殺しになるかもしれない。
『逆にトリステイン側から侵攻する』
と、いう案も考えたが、現実的ではないから却下した。
『ゲルマニアに侵攻したら、ガリアから侵攻を受けた』
と、なったら目も当てられないからだ。
(工業化して、平民も戦力化すれば独立は守られるかもしれない)
だが、それも難しいと、マクシミリアンは考えを改めた。
先ほども言ったが、ガリア、ゲルマニアのそれぞれの国民が生きる為に武器を持って襲い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ